▽新型コロナ起源「中国・武漢ウイルス研究所の可能性高い」 独連邦情報局が米CIAに共有
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新型コロナウイルスの起源について、ドイツ連邦情報局(BND)が2020年、中国湖北省の武漢ウイルス研究所から誤って流出した可能性が高いと分析していたと12日、ドイツの2紙が報じた。分析結果は米中央情報局(CIA)に共有されたという。
2紙はハンブルクに本拠を置く全国週刊紙ディー・ツァイトとミュンヘンに本社を置く日刊紙の南ドイツ新聞。BNDの情報を入手したとしている。
BNDの分析は独首相府に報告されたが、当時のメルケル首相は「極秘扱い」とし、公表しなかったとされる。ロイター通信によると、ショルツ首相は12日の記者会見でこの件を質問されたが、コメントしなかった。
現地からの報道によると、BNDは、武漢ウイルス研究所がウイルスをヒトに感染しやすいように改変する「機能獲得実験」を行っていたと分析。研究所から誤って新型コロナウイルスが流出し、パンデミック(世界的大流行)につながった可能性があるとしている。
BNDの分析結果がCIAに共有されたのは昨年秋という。
CIAは今年1月、新型コロナの起源は「自然発生よりも研究関連である可能性が高い」と流出説を支持した一方、この評価の確信度は「低い」と留保を付け、自然界からヒトに広がった可能性も含めて分析を続けるとした。
中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は2月、武漢ウイルス研究所は「新型コロナウイルスの機能獲得研究を行ったことはなく、その設計にも作成にも流出にも関与していない」と強調。流出説の真実性は「極めて低い」と改めて主張した。
新型コロナ感染症は、中国の武漢市当局が19年12月に「原因不明の肺炎」として公表した事例が最初とされ、その後、世界中に感染が拡大した。