▽これからは「DOI」に、トランプ政権下でJPモルガンがDEI変更

Daniel Taub、Hannah Levitt

  • 今後は「多様性・機会・包括性(DOI)と呼ぶ」-COO
  • トランプ大統領はDEI排除を目的とした複数の大統領令に署名

米銀最大手JPモルガン・チェースは多様性・公平性・包摂性(DEI)プログラムの名称を変更する。DEIはトランプ政権下で攻撃の対象となっている。

  ジェン・ピープシェク最高執行責任者(COO)は従業員に充てた21日付の社内文書に、このイニシアチブを今後は多様性・機会・包括性(DOI)と呼ぶことにすると記述。その理由について「(公平性を意味するequityの)『e』は、当行にとってequal outcomes(公平な結果)ではなく、常にequal opportunity(公平な機会)を意味してきたからだ。事業を成長させる上で最も多くの顧客と取引先を獲得するという当行の継続したアプローチを、これはより正確に反映していると考えている」と説明した。

  トランプ大統領は1月の就任以降、連邦政府やその請負業者などからのDEI排除を目指し、一連の大統領令に署名。政府機関や企業の間でウェブサイトからDEIプログラムに関する記述を削除したり、DEI担当のチームを解散したりする動きが広がっている。

  ピープシェク氏は「われわれは常に、能力主義に基づく採用、報酬、昇進にコミットしてきた。当行に違法なノルマや報酬インセンティブは存在しない。そして政治・宗教的信条や、その人の個性を理由にわれわれが背を向けることは決してない」と言明。「われわれは完璧ではないが、常に挑戦し続け、水準を上げていくことに誇りを持っている」と記した。

  社内文書についてはロイター通信が21日、先に報じていた。

原題:JPMorgan Renames DEI Program ‘DOI’ Following Political Backlash(抜粋)