▽トルコ・リラ、週間ベースで2年ぶり大幅安の勢い-政局不安収まらず

Beril Akman、Tugce Ozsoy

  • 主要株価指数はサーキットブレーカー発動、リラは5日で3.8%安
  • 当局の集会禁止令にもかかわらず、野党は21日のデモを呼び掛け

トルコ・リラが週間ベースで約2年ぶり大幅安となる勢いだ。株も安い。政治的緊張が続く中、同国中銀は緊急措置を講じたものの、リラ安は食い止められていない。

  エルドアン大統領の主要な対立者候補であるイマモール・イスタンブール市長が19日に拘束されたことで投資家に動揺が広がり、同日のトルコ資産は急落した。

  イスタンブール時間21日午前11時29分時点でのリラは対ドルで0.5%下げて1ドル=38リラ。過去5営業日の下落率は3.8%と、2023年6月以来の大幅な下げとなっている。主要株価指数のイスタンブール100指数は一時7%安となり、サーキットブレーカーが発動された。週間ベースではトルコ株式市場から約300億ドル(約4兆4600億円)が吹き飛んでいる。

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警察と衝突するデモ隊(20日、イスタンブールで)Photographer: Ozan Kose/AFP/Getty Images

  イマモール氏の拘束に反発した抗議者はデモ活動を展開しており、21日も抗議運動が呼び掛けられている。当局はデモ激化を防ぐため、19日から集会を禁じている。また、イマモール氏の拘束に対する批判をソーシャルメディアに投稿したとして、数十人が拘束された。

  イスタンブール県知事のオフィスは、3月23日までの集会や記者会見は一切禁止とあらためて警告。またアンカラとイズミルの知事も、市全域を対象に禁止令を出している。禁止令が出されている中でも、イマモール氏が所属する最大野党・共和人民党(CHP)は21日に集会を計画している。

  トルコ国債の向こう5年間のデフォルト(債務不履行)リスクに備えるコストは急上昇し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は約1年ぶりの高水準となった。

原題:Turkey Braces for More Unrest Amid Call for Nationwide Protests

Lira Heads for Worst Weekly Drop Since 2023 Amid Turkey Tumult(抜粋)