- 残念だが05年、06年、07年にも同じようなことが起きた-ダイモン氏
- 後継問題巡る発言変わらず-CEOとして「あと数年」とどまる意向

米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は23日、金融業界全体で競争が激化している状況について問われ、2008年の金融危機前との類似が見え始めていると述べた。当時は融資拡大競争が悲惨な結果に終わった。
ダイモン氏は投資家に対し「残念ながら、05年、06年、07年にも同じようなことが起きた。潮が満ちてあらゆる船が持ち上げられ、誰もが多額の利益を上げていた」と指摘。JPモルガンは純金利収入(NII)を押し上げるためにリスクの高い融資を行うつもりはないとした上で、「NIIを生み出すために愚かなことをしている人が数人いる」と語った。
08年の金融危機を米銀最大手のトップとして乗り切り、経営破綻した大手2行を買収したダイモン氏は、信用サイクルがいずれ再び悪化すると予想。ただし時期については明言しなかった。
同氏はここ数カ月、信用の質が悪化する可能性について警鐘を鳴らしてきた。昨年、米自動車ローン会社のトライカラー・ホールディングスと自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループが破綻した際には「ゴキブリを1匹見たら、恐らく他にもいる。この件は誰もが警戒すべきだ」と述べていた。
ここ数週間、さまざまな業界が人工知能(AI)を巡る「脅威論」を背景とした売りに直面している。
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ダイモン氏は「信用サイクルには常にサプライズがある」とし、どの業界で起きるかがサプライズになることが多いと分析。「今回はAIの影響でソフトウエアかもしれない」と語った。
こうした動きをきっかけに、JPモルガンが特定の融資を精査する可能性はある一方、信用損失に大きな影響を及ぼすとは考えにくいとの見方を示した。
金融業界も他の多くの業界と同様に、AIを巡る懸念からここ数週間で株価が下落している。ダイモン氏は23日、JPモルガンはAI競争の勝者になると強調。「最終的には100の分野のうち75で勝者となり、25で敗者になる」と述べた。
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後継問題に関しては最近の発言とおおむね変わらず、CEOとして「あと数年」とどまり、その後エグゼクティブ・チェアマンを「さらに数年」を務める可能性があると発言。最終的な判断はJPモルガンの取締役会に委ねられるとした。
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原題:Dimon Sees Parallel to Pre-Crisis Era as Rivals Do ‘Dumb Things’(抜粋)