• 在イラク米国人に即時退避の指示、「イラン派テロ集団による脅威」
  • 米軍、カーグ島の軍事目標空爆-石油施設も今後攻撃する可能性示唆
カーグ島で継続されていた原油積み出し作業(3月2日)
カーグ島で継続されていた原油積み出し作業(3月2日)出所:ブルームバーグ

Sam Kim (News)

トランプ米大統領は14日、イラン沿岸付近に軍艦が派遣されることを「期待している」と述べた。石油流通の動脈と位置付けられるホルムズ海峡は、現時点で事実上封鎖されている。トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、この解除を求める発言を強めた。

  トランプ氏の投稿は「軍艦派遣」の時期に言及していない。米軍は前日、イラン産原油輸出の大部分を担うカーグ島を空爆した。中東での戦争は3週目に入ったが、沈静化の兆しはまったく見えない。

  イスラエルと米国は13日夜から14日にかけ、イラン攻撃を継続し、イランは反撃の矛先を湾岸諸国に向けた。米国は14日、「イランを支持するテロ集団による著しい脅威」が迫っているとして、イラク在住の米国人に即時退避を促した。前日には在バグダッド米大使館の敷地内のヘリパッドにミサイルが着弾したと、AP通信が報じた。

  トランプ氏は先のトゥルース投稿で、カーグ島の軍事施設を「完全に破壊した」と表明し、「配慮から、同島の石油インフラを壊滅させることはあえて選ばなかった」と続けた。一方、イランがホルムズ海峡を通過する船舶を妨害した場合には、その判断を直ちに見直すと警告した。

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  トランプ氏は14日午前の投稿で「イランによるホルムズ海峡封鎖の試みで影響を受ける多くの国は、米国と連携して、開かれて、安全な海峡を維持するため、軍艦を派遣するだろう」と述べた。日本や中国、フランス、韓国、英国などが軍艦を派遣することを期待していると述べたが、詳細には触れていない。

  イラン軍は「すでに100%破壊された」ものの、イランがドローンや機雷、短距離ミサイルで船舶の航行を脅かすのは「容易だ」ともトランプ氏は指摘。米軍はイラン沿岸を「徹底的に爆撃」することで応じると述べた。

  同じ頃、イランのアラグチ外相はホルムズ海峡の実質封鎖が対象としているのは「敵国」だけだと述べた。世界の原油供給の約2割が、この海峡を通過する。

  トランプ氏は午後に再びトゥルースに投稿し、「ホルムズ海峡経由で石油を輸入する諸国は、その運航を確保しなくてはならない。米国は『大いに(大文字で強調)』支援するつもりだ」と述べた。

  米国がそうした諸国と連携すれば「すべてが迅速かつ円滑、そして良好に進む」とトランプ氏は続け、「これまで常にチームとして取り組むべきだった。これからはそうなる」と述べた。

領空閉鎖

  米国は航空面でも他国の協力を必要としている。スイスは中立国家としての伝統を理由に、イラン戦争に直接関連する米軍機の飛行に対し、自国の領空を閉鎖した。

  14日の政府声明によれば、米偵察機の領空通過を求める2件の要請をスイスは拒否した。一方で輸送機2機を含む別の3機については、領空通過を認めたという。

  今後は通常より多い領空通過の要請について、目的が明確で戦争と関連していない場合を除き、認められないとスイスは言明した。

カーグ島

  海洋戦略センターのスティーブン・ウィルズ氏は、カーグ島はイランの石油輸出の約90%を処理できるよう整備されており、同島が占拠または破壊されれば「理論上、イランの石油輸出能力の大部分を奪いかねない。これがイランの生命線だ」と述べた。

  ただし、カーグ島への攻撃は賭けでもある。エネルギーアナリストは、島の民間インフラを攻撃したり占拠したりすれば、原油価格がさらに急騰する恐れがあると警告している。

  アラブ首長国連邦(UAE)では14日朝、オマーン湾に面する主要石油積み出し港フジャイラがドローン攻撃を受け火災が発生し、操業が停止された。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  ホルムズ海峡のすぐ外に位置するフジャイラ港では、被害の評価が行われている間の予防措置として、原油および石油製品の積み込み作業が停止された。関係者はメディアに話す権限がないとして匿名を条件に語った。

  トランプ政権や各国政府がエネルギー価格の高騰を抑えようとする取り組みは、これまでのところ大きな効果を上げていない。アジアでは調理用ガスや自動車燃料の不足が深刻化している。米国ではガソリン価格がすでに約2年ぶりの高水準に達している。

  北海ブレント原油は2営業日連続で1バレル=100ドルを上回り、3年超ぶりの高値で引けた。一方、米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物も2022年7月以来の高値圏で終了した。ホルムズ海峡は事実上封鎖され、数百万バレルの原油がペルシャ湾に滞留している。

  米国はまた、日本から第31海兵遠征部隊を中東へ派遣している。到着まで少なくとも1週間かかる見通しだ。同部隊は最大2400人の兵力を持ち、強襲揚陸艦「トリポリ」には戦闘機F35、輸送機V22オスプレイ、ヘリコプターから成る航空部隊が搭載されている。

  一方、米中央軍はイラク西部で墜落した米空軍の空中給油機「KC-135」に搭乗していた6人全員の死亡が確認されたと発表した。これで米軍関係者の犠牲者は計13人となった。

新しい最高指導者

  イラン最高指導者のモジタバ師について、ヘグセス長官は13日、は米国とイスラエルによる作戦でモジタバ師が「外見が損なわれた可能性が高い」と会見で指摘。声明が文書のみで公表されたことは、負傷により公の場に姿を現すことができない可能性を示唆していると述べた。

  トランプ大統領はFOXニュース・ラジオのインタビューで、モジタバ師について「おそらく何らかの形で生きているだろう」と述べていた。

  こうした中、フランスなど複数の欧州諸国が、同海峡を通る自国船舶の安全な航行を確保するため、イランとの協議を開始したと、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。 

  関係者によると、インドも20隻以上のタンカーが同海峡を安全に通航できるよう、イランと協議を行っている。  

  イランでは13日、毎年恒例の親パレスチナ行事を記念して、各地で親政府派の集会が開かれた。首都テヘランでは、デモ行進から数ブロック離れた場所で爆発があったと伝えられ、タスニム通信によると、米国とイスラエルによる攻撃で女性1人が死亡した。

  ソーシャルメディアに投稿された写真には、イラン最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ事務局長ら政府高官が行事に参加する様子が写っている。  

Tehran
テヘランで行われた行進の様子Photographer: Vahid Salemi/AP Photo

原題:Trump Calls for Countries to Send Warships to Reopen Hormuz (1)(抜粋)

Trump Strikes Iran’s Kharg Oil Hub, Urges Hormuz Reopening (1)(抜粋)

Trump Promises ‘Help’ for Nations Taking Care of Hormuz Passage(抜粋)

Switzerland Bars US Overflights Linked to Combat in Iran War(抜粋)