【ロンドン時事】英最大野党・労働党のコービン党首は8日、欧州連合(EU)離脱の行き詰まり打開に向けた政府・与党との協議で、メイ首相が「自ら引いた『越えられない一線』から動こうとしない」と非難、速やかな譲歩を呼び掛けた。双方が10日のEU首脳会議までに溝を埋め、打開策で合意できるかは不透明だ。

 首相は12日に迫った離脱を6月30日に延期するようEUに要請。EUは交換条件として、議会の多数が支持する打開策の提示を求めている。

 政府の離脱案が議会で三たび否決され、首相が対立関係にある労働党に助けを求めた。同党はEUとの経済関係を維持するため、EUの根幹を成す「関税同盟」に事実上残留すべきだと主張。一方、EUからの独立を重視する首相は関税同盟案に反対してきた。