【サンパウロ時事】深刻な政情不安と生活必需品不足に直面しているベネズエラの首都カラカスに16日、赤十字の人道支援物資の第1陣が到着した。届いたのは医薬品24トンや発電機などで、機能停止状態にある病院に配られる。
米国の介入を恐れる独裁的な反米左派のマドゥロ大統領は、これまで人道危機を否定。中国など友好国以外からの支援を断ってきたが、10日に赤十字国際委員会(ICRC)との間で「中立」な支援の受け入れで合意したことを明らかにした。
国連はベネズエラ国民の4分の1が人道支援を必要としていると推計。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のロッカ会長は「危機にひんするベネズエラ国民を支えるための偉大な一歩だ」と到着を歓迎した。
マドゥロ氏は「規定に沿い、政治色がなく、ねじ曲げられていない人道技術支援を歓迎する」と強調。一方、暫定大統領を名乗るグアイド国会議長は「われわれはこれまで、人道支援物資の国内搬入を約束してきた。きょう、体制側は自分たちの失敗を認めざるを得なかった」と述べ、マドゥロ政権の失策を責めた。