【ワシントン時事】米農務省は23日、国内農家に最大160億ドル(約1兆7500億円)の追加支援策を講じる方針を正式発表した。中国との貿易摩擦の長期化を受け、米農産品を標的にした報復関税で被害を受ける農家への影響を和らげる狙い。来年秋の大統領選をにらみ、摩擦激化に対する農家や議会関係者からの強い反発に配慮した。

 貿易摩擦に関連した農家支援は、昨年分と合わせて最大280億ドル(約3兆円)に達する。今回の対策の原資には、中国製品に上乗せしている制裁関税収入の一部が充てられる。大豆や小麦、綿花、乳製品、養豚などの農家を想定しており、7月から資金支払いを始める。

 トランプ大統領はホワイトハウスの会合で「追加支援は米農家の繁栄を促すもので、経済と安全保障が他国から脅かされることはない」と語った。また、6月下旬に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、米中首脳会談が行われることに期待を示した。