インドのナレンドラ・モディ首相=21日、ニューデリー(EPA時事)

 【ニューデリー時事】5年の任期満了に伴うインド下院(定数545)選は23日、開票され、地元メディアによると、与党・インド人民党(BJP)が単独で過半数議席を確保し、圧勝した。総選挙での勝利で、ナレンドラ・モディ首相(68)の続投が確実となった。

 モディ氏は23日の演説で「(選挙結果は)国民の私への負託だ」と勝利を宣言。「繁栄した、貧困のない、力強いインドのため共にがんばろう」と呼び掛けた。

 BJPは、2014年の前回総選挙で、西部グジャラート州を州首相として経済発展させたモディ氏の人気を背景に単独過半数の282議席を獲得し大勝した。BJPは当初、今回は議席を減らすものの与党連合として過半数を確保すると報じられていたが、インドメディアによれば、単独でも前回を上回る議席を獲得する見通しとなった。

 インドはモディ氏の就任以降、毎年約7%の経済成長を遂げてきた。モディ氏は16年、汚職や不正蓄財撲滅を目指し、高額紙幣の廃止を発表。17年には、物流の円滑化を目指し、州ごとに異なっていた間接税を統一するなど都市部の商工業者を中心に支持を集めた。経済成長から取り残された地方部などで一時、支持を減らしたが、今年2月に48年ぶりに隣国の宿敵パキスタンを空爆し、強い指導者像を見せることで巻き返した。

 与党連合優勢の報道を受け、23日の主要株価指数SENSEXは一時、過去最高値を更新。出口調査結果が報道される前の今月17日の終値と比べ、約6%上昇した。

 最大野党・国民会議派は、3人の首相を輩出した名門出身のラフル・ガンジー総裁(48)を中心に、農産物価格の低迷に悩まされている地方部で支持固めを図った。ただ、国政レベルでの選挙準備が遅れ、「早い時期から信頼できる政策目標を掲げ、分かりやすく説明すべきだった」(政治評論家)と指摘された。ラフル氏がモディ氏に代わる首相候補として存在感を示すこともできなかった。

 ラフル氏は23日の会見で「国民の決定だ。モディ氏を祝福したい」と述べ、敗北を認めた。その後は記者団の質問を途中で打ち切り、会見を終えた。