• 当局は深刻なクレジットリスクを理由に包商銀行を管理下に置いた
  • 一部銀行のPBRは香港に上場する中国の銀行の平均下回る

中国当局が20年余りぶりに銀行を管理下に置き、既に極めて低いバリュエーションで取引されている小規模銀行の株式に新たな下押し圧力が加わっている。

  規制当局は「深刻な」クレジットリスクを理由に包商銀行を管理下に置いた。これを受け、香港に上場する中国本土銀行株のブルームバーグの指数は27日に4カ月ぶり低水準に低下。銀行間の7日物レポ金利は1カ月ぶり高水準に上昇した。

  包商銀行が当局管理下に入ったのは、中国の小規模銀行が信用度の低い借り手への融資制限ルールおよび資本・貸出引当金の要件を回避するために利用する簿外融資に原因がある。今回の動きを受け、銀行資産の本当の質や、別の銀行が同様に管理下に置かれる原因、当局の行動の迅速さを巡り、投資家懸念が高まる可能性があると、中国国際金融(CICC)が指摘した。

  「同様の資産規模を持つ市中商業銀行や、包商銀行の近隣地域を中心に営業する銀行の株価に対して目に見える圧力があると予想している」と、王瑤平氏率いるCICCのアナリストが27日のリポートで指摘した。

Banks in rust-belt regions trade at signficant discount to peers

  一部の銀行の株価純資産倍率(PBR)は既にディストレスト水準で推移している。ブルームバーグが集計したデータによると、ハルビン銀行のPBRは0.34倍で、盛京銀行は0.41倍。香港に上場する中国の銀行の平均PBRは0.7倍。

原題:China’s First Bank Seizure in 20 Years Spooks Lenders, Investors(抜粋)