日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)=会社法違反(特別背任)罪などで起訴=が保釈中にレバノンに逃亡した事件で、東京地検特捜部は30日、入管難民法違反(不法出国)容疑でゴーン被告の逮捕状を取った。逃亡の手助けをしたとして犯人隠避などの容疑で米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員、マイケル・テイラー容疑者(59)ら米国籍の男3人の逮捕状も取った。ゴーン容疑者はレバノン、他の3容疑者も国外に滞在しているとみられ、実際に逮捕できるかは不透明な状況だ。
ほかに逮捕状が出たのはジョージ・ザイエク(60)、ピーター・テイラー(26)の両容疑者。ピーター・テイラー容疑者は逃亡前、ゴーン容疑者の弁護人を務めていた弘中惇一郎弁護士の東京都千代田区の事務所で計4回、ゴーン容疑者と面会。逃亡の前日などにも別の場所で会っており、特捜部は、逃亡に関する謀議が行われた疑いが強いとみている。特捜部は29日、弘中氏の事務所を家宅捜索し、面会記録などを押収している。
ゴーン容疑者の逮捕状の容疑は、昨年12月29日午後11時ごろ、入国審査官から出国の確認を受けずに、関西空港からプライベートジェット(PJ)で不法に出国したとしている。