[24日 ロイター] – 米投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)の会長兼最高経営責任者(CEO)を務める著名投資家ウォーレン・バフェット氏は24日、新型コロナウイルスの感染拡大に懸念を示しながらも、株式を売る時ではないとの見方を示した。米CNBCのインタビューで語った。 

バフェット氏は、10─20年の期間を見通して企業の収益力に注目している投資家は順調な株式投資ができると指摘。新型ウイルスの感染拡大でも長期見通しは「変わっていない」と述べた。 

新型ウイルスは「恐ろしいものだ」と述べた上で、「株式の取引に影響することではないと思う」と語った。 

新型ウイルスの感染拡大によってサプライチェーン(供給網)が混乱し世界経済が減速するとの懸念から、株式相場は24日、世界的に下落。中国で発生したコロナウイルスはイタリアや韓国、イランなど他国に広がっている。 

バフェット氏は、長期投資家は日々のニュースに左右されてはいけないとし、バークシャーが前週末よりも「確実に買う方向に傾いている」と発言。米経済は依然として好調で、6カ月前と比べると「若干弱い」が、それでも「現状を見ると、債券よりも株式の方が利益率が高い」とした。 

米経済は2019年に2.3%増となったが、個人消費と鉱工業生産が減速した。 

バークシャーが先日発表した19年の営業利益は前年比3%減の239億7000万ドルだった。保険の引受事業で損失を出したことが痛手となった。ただ米アップル(AAPL.O)やその他の含み益が追い風となり純利益は814億2000万ドルと過去最高だった。 

ネブラスカ州オマハに拠点を置くバークシャーは、BNSF鉄道や自動車保険のガイコ、デイリークイーンアイスクリームなど90以上のグループ会社を持っている。バフェット氏はコロナウイルスの感染拡大が多くの事業に打撃となっていると述べた。 

中国では約1000件のデイリークイーン店舗の多くを閉鎖している。営業している店舗は「取り立てて言うほどの商売になっていない」とした。同じくグループ企業の断熱材会社ジョンズ・マンビルとカーペットメーカーのショーではサプライチェーンが混乱しているという。 

「企業には常に問題が起きる」とし、「注目しなければならないのは、こうした事業が5年後、10年後にどうなっているかだ」と述べた。