[ニューヨーク 24日 ロイター] – 米国株式市場では主要3指数が大幅続落。ダウ工業株30種は1000ドルを超える下げとなった。新型コロナウイルスの感染者が中国本土外で急増し、世界的な大流行(パンデミック)への不安が高まったことから、世界経済への影響を巡る懸念が拡大、質への逃避が加速した。 

韓国やイタリア、イランなど複数の国で前週末に新型ウイルスの感染者が増加したことを受け、高リスク資産を売って米国債や金など安全とされる資産を買う動きが加速した。 

ダウ.DJIとS&P総合500種.SPXは年初来の騰落がマイナスに転じ、1日の下落率は2018年2月以来の大きさとなった。ダウが1日で1000ドル超下げるのは史上3回目。 

ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席投資ストラテジストは「新型ウイルス感染拡大の減速を確認するまで、株価上昇の可能性は低い」との見方を示した。 

S&Pの主要11セクターはいずれもマイナス圏で終了。エネルギー.SPNY、情報技術.SPLRCTなどの下げが目立った。 

アップル(AAPL.O)は4.8%安。1月の中国のスマートフォン販売台数が約36%減少したことを示す統計が嫌気された。

このほか中国に対するエクスポージャーが大きい半導体銘柄が売られ、フィラデルフィア半導体指数.SOXは4.8%安。渡航制限の拡大を巡る懸念から航空株も売り込まれ、NYSEアーカ航空指数.XALは6%下落した。 

ゴールドマン・サックスが第1・四半期の米経済成長率見通しを下方修正し、新型ウイルスによる一段と大きな影響を予想したことも、投資家の不安を強めた。

米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は、終値ベースで2019年1月以来の高水準となる25.03で終了した。 

ユナイテッドヘルス・グループ(UNH.N)やシグナ(CI.N)など医療保険大手も8%近く急落。米大統領選に向けた民主党の候補者選び第3戦となったネバダ州党員集会で、民間保険の廃止を支持するサンダース上院議員が勝利したことが重しとなった。 

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を6.74対1の比率で上回った。ナスダックでも6.02対1で値下がり銘柄数が多かった。