トランプ大統領は5日、激戦州だったジョージア州に乗り込み大規模な集会を開催した。この集会は本来、1月5日に行われる上院議会議員選挙の決選投票を応援するためのものだったが、実際は支持者を集めた不正選挙の糾弾集会だった。大統領選挙はカリフォルニア州が4日、州議会が公式にバイデン候補の勝利を認定、選挙人の数も公式集計で270議席を上回った。だが、トランプ氏は依然として敗北を認めていない。先週はこの州の公聴会で不正の証拠となる監視カメラの映像が公開され、トランプ陣営の「選挙は盗まれた」との主張が息を吹き返した。世界の主要メディアはこの事実をほとんど報道していないが、インターネット上ではトランプ陣営の応援団を中心に盛んに情報発信が行われている。最近では異例なほど盛り上がった。不正があったことは事実だろう。だが、それが選挙結果をひっくり返すほどのものかどうか、大統領選挙は正式決着に向けて最後のONE WEEKを迎えた。
トランプ大統領は14日に行われる各州の選挙人集会で、バイデン氏が勝利すれば「ホワイトハウスを去る」と言明している。4日の集会でも「もし負けていれば優雅な敗者となり、フロリダで気楽に過ごし、『よい仕事をした』と振り返っていただろう。だが、彼らが選挙を盗み不正を働いた時、その結果を受け入れることはできない」と強調した。トランプ陣営の弁護団の戦略は、最終決着を連邦最高裁の判断に持ち込むことだろう。そのための証拠集めと世論の盛り上がり方が、これからの1週間の焦点になる。大規模な不正があったかどうか、世界中の主要なメディアは否定的だ。事実を報道しないだけではない。「不正があったとする根拠のない主張を繰り返す」と、トランプ氏ならびに陣営の主張を全面的に否定している。我々が事実関係を確認する術はほとんどない。だが、ネット上に氾濫しているトランプ陣営が行っている主張は、ハードボイルドな映画に出てくるような面白さがある。
これが事実なら米国のみならず世界がひっくり返るだろう。不正の手口は数々あるが、投票用紙の集計を行うドミニオン(集計機)をめぐる疑惑は、サスペンス映画のようにスリリングである。その機械を使って不正を行ったという事実が明らかになった。ジョージア州はアトランタオリンピックが開催された州で、中国との関係が極めて深い。ケンプ知事は共和党だが、トランプ氏と真っ向から対立している。中国寄りのアンチトランプ派。一部にはドミニンの不正なソフトの作成に中国が深く関わっているとの説もある。4年前の大統領選挙ではロシアの介入が問題になった。今回は中国である。貿易戦争が選挙介入に発展した格好だ。事実関係は簡単には立証できないだろう。14日の選挙人集会で目先は決着するだろう。だが、事実関係の解明やメディアのあり方をめぐる論争は、14日以降も延々と続きそうな気がする。世界は不正だらけだ。メディアは偏見に覆われている。真実は何処に・・・。
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