2日前の日経新聞に「Jパワー、石炭火力を重油で緊急再稼働 電力逼迫で」という記事が掲載された。寒波襲来と LNG(液化天然ガス)不足が世界中で電力需給の逼迫を招いている。日本ではまだ停電という事態は発生していないが、いろいろな国で部分的な停電が発生しているようだ。こうした状況の中でJパワーは、停止中の火力発電所を重油を使って再稼働させるという。コロナ禍で家庭の電力需要が急拡大している。太陽光発電は雪をかぶって使い物にならない。風力発電も異常気象の影響で発電量が減少している。原子力発電はいまだに大半が停止中。電力供給は需要が供給を上回れば停止する。電力各社は相互融通などあらゆる対策を進めているが、需給関係を改善する妙薬はないようだ。日本でもいつ停電が起こってもおかしくない。停電に備える必要がある。

そう思って我が家の状況をチェックしてみた。エネルギー源はほぼ電力一本槍である。暖房用に使っていたガソリンストーブは数年前に廃止した。安全のためとCO2排出削減が目的。現在の暖房は電気ストーブとエアコンのみ。停電になると暖房をどうするか即問題になる。調理用のガスコンロは都市ガス。発火は乾電池だから停電しても使えるだろう。だが、喚起用のファンは動かない、長くは使えないだろう。あとは卓上ガスコンロが1台あるだけ。情報機器としてはテレビとパソコンは使えない。手動で発電しながら利用するラジオが1台ある。緊急情報の受信はこのラジオでできるのではないか。スマホが使えるのかどうかよくわからない。東日本大震災の時は震災直後に利用者が殺到して回線がパンクした。通話はともかくとして懐中電灯の代用はできる。だがそれも長期間にわたって電力がとまれば使えなくなる。

電力逼迫の原因はLNG不足といわれている。寒波の襲来で世界的に需要圧力が強まっている上、中国が大量に買い付けているとの指摘もある。コロナウイルスの発生源を巡ってオーストラリアが「武漢で調査すべき」と主張、これに中国が反発して同国からの良質な石炭の輸入をストップした。この結果中国の火力発電所が石炭不足に陥り、代替手段としてLNGの輸入を増やしたというのだ。その結果LNGの価格が急騰、量的にも不足を招いている。その影響で日本も電力が逼迫しつつある。このままだと、東日本大震災の時に経験した電力の割当制を復活せざるを得なくなるかもしれない。東京電力のHPにアクセスするとトップに、「日常生活に支障のない範囲で、照明やその他電気機器のご使用を控えるなど電気の効率的な使用にご協力いただきますようお願いします」という節電の呼びかけが掲載されている。今や外出だけではない。不要不急の電力の使用にも自粛が必要のようだ。