[ウェリントン 7日 ロイター] – ニュージーランド(NZ)のマフタ外相は7日、ロイターとのインタビューに応じ、対中関係について、通商関係や見解の相違を超えた成熟した関係を望むと発言した。
同国のアーダーン首相は今週、中国との見解の相違を解決することが一段と困難になっていると発言。同国議会は、中国の新疆ウイグル自治区でウイグル族の人権が侵害されていると全会一致で宣言し、中国の反発を招いている。
マフタ外相は「同意できる問題だけではなく、同意できない問題についても、伝えることができる、敬意を表した、一貫した予測可能な状況を確保することが重要だ。これは成熟しつつあるわれわれの関係の一端だ」と述べた。
NZにとって中国は最大の貿易相手国。NZは安全保障上の機密情報を共有する5カ国の枠組み「ファイブアイズ」を活用した中国批判への消極姿勢を巡り、一部の西側諸国から圧力に直面している。
マフタ外相は先月、ファイブアイズの役割拡大について「不快感」を表明。ファイブアイズは香港や新疆ウイグル自治区のウイグル族の扱いを巡り声明を発表しており、中国はこれを批判している。
同相は「あらゆる人権問題への対応で(ファイブアイズを)常に発信源とする必要はない」とし「私は人権問題について、より幅広い支援の基盤を構築することが重要だと一貫して主張している」と述べた。
外交問題の専門家からは、曖昧な姿勢は混乱を招くとの批判も出ている。
マッセイ大学の防衛・安全保障研究所のアンナ・ポウルズ上級講師は「NZとして一貫した外交政策を明確に示す必要がある」と指摘した。
中国とオーストラリアの関係は、オーストラリアが新型コロナウイルスの起源を巡る独立調査を呼び掛けたことをきっかけに悪化しているが、中国とNZは1月に自由貿易協定(FTA)を強化している。