[ワシントン 27日 ロイター] – 米商務省が27日発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年同月比6.3%上昇した。伸び率は1982年以来の高水準となった前月の6.6%から縮小した。米景気後退を巡る懸念が強まる中で、第2・四半期の経済成長を下支えする可能性がある。

PCEは前月比でも0.2%上昇と、3月の0.9%上昇から減速し、2020年11月以来、最小の伸びにとどまった。

米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPCE指数は前年同月比4.9%上昇と、2カ月連続で伸びが鈍化し、昨年12月以来の小幅な伸びとなった。3月は5.2%上昇だった。

前月比は3カ月連続で0.3%上昇した。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「FRBが一息つくには、月間伸び率のより顕著な鈍化が必要だろう」と述べた。

4月の個人消費支出は前月比0.9%増加し、市場予想の0.7%増を上回った。3月は前回発表の1.1%増から1.4%増に上方改定された。

外食や旅行への支出を追い風に、サービスへの支出は0.9%増加。新車や衣料品、娯楽、家具などのモノへの支出も堅調だった。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「現時点で、消費者は支出を継続し、景気後退の向かい風を寄せ付けていない」と指摘した。

個人所得は0.4%増加。賃金が増加分の大部分を占めた。貯蓄率は4.4%と、前月の5%から低下し、08年9月以来の低水準となった。コロナ禍中に2兆ドル超に膨らんだ超過貯蓄の取り崩しを反映している。

金利上昇局面における貯蓄の減少は、将来の個人消費の伸び鈍化につながる可能性がある。

グラント・ソートンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「中・高所得層にはまだ貯蓄があるようだが、それ以下の世帯では、超過貯蓄を支出に回している」と述べた。