[ロンドン 26日 ロイター] – ウクライナ国立銀行(中央銀行)のシェフチェンコ総裁は訪問中のロンドンでロイターとのインタビューに応じ、戦争で疲弊した国内経済を立て直すため、国際通貨基金(IMF)と年末までに150億─200億ドルの融資プログラムで合意することを目指すと述べた。

イングランド銀行(英中銀)とのスワップラインについても「数週間以内」の合意を望むとしたが、金額については明かさなかった。

シェフチェンコ総裁によると、ウクライナ政府はすでにIMFに要請書を提出済みで新たな融資についてIMFと協議中。シェフチェンコ総裁はスタンドバイ取り決め(SBA)または拡大信用供与措置(EFF)の形で2─3年以内に最大200億ドルが提供されることを望むとした。

ウクライナ側がIMFから必要とする新たな融資を具体的な金額で示したのはこれが初めて。IMFからの200億ドルの融資はアルゼンチンに次いで2番目の大きさという。

シェフチェンコ総裁は、新たな融資プログラムにより経済安定化に向けた措置を講じることができると説明。柔軟な為替レートや制限のない為替市場、銀行部門における不良債権の減少、均衡の取れた財政政策など戦争前の状態への回帰が保証されるとした。

ロシアとウクライナが先週、ウクライナに滞留する穀物の輸出再開に向けた合意文書に署名したことを受け、外貨収入や流動性が幾分改善されると見込まれるが、シェフチェンコ総裁はこうした収入や穀物輸出が本格化するのは来年からで、中銀の「控えめな」予測では、輸出は月間500万トンに達し、2023年には約50億ドルの収入を生み出すとした。