• 円が24年ぶり安値更新、非製造業の景況指数4カ月ぶり高水準
  • ソフトBG傘下企業の売却に近づく、エネルギー取引で追い証、減益
Customers shop at the Trader Joe’s Upper East Side Bridgemarket grocery store in New York. Photographer: Jeenah Moon/Bloomberg

円が一時1ドル=143円台に下落しました。3年ぶりに東京からニューヨークを訪れている記者にとって、実感として染みついているドル・円相場の水準は100-110円近辺。食事の時も買い物も、値札に100プラスアルファのかけ算で良かった円換算のイメージはもう全く通用しそうにありません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

円は圧力鍋の中

6日の外国為替市場で円が下げを広げ、対ドルで一時143円台と、24年ぶり円安水準を更新した。米国債利回りの大幅上昇と米供給管理協会(ISM)非製造業総合景況指数の上昇が手掛かり。サクソ・バンクの外為戦略責任者、ジョン・ハーディ氏はリポートで、米国債利回りの急伸と日本銀行による利回り抑制の政策が相まって、「円に対して圧力鍋のような環境を生み出し、極めて大きなボラティリティーが生じる可能性がある」と分析した。

4カ月ぶり高水準

8月のISM非製造業総合景況指数は市場の予想に反して前月から上昇し、4カ月ぶり高水準となった。ISM製造業指数の生産に相当する業況と新規受注の指数は共に年初来高水準に上昇。輸出受注は約1年ぶり高水準と、国外の需要も力強さを増していることが示された。仕入れ価格指数は2021年1月以来の水準に下がり、インフレ圧力の弱まりを示唆する指標が一つ増えた。

合意に近づく

アブダビ首長国の政府系ファンド(SWF)、ムバダラ・インベストメントが、ソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループの買収で合意に近づいていると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。フォートレスを20億ドル(約2860億円)超と評価し得る案件で、関係者らによるとムバダラが数週間内にも買収を発表する可能性があるという。

210兆円の追加証拠金

ノルウェーのエネルギー企業エクイノールによると、欧州のエネルギー取引では少なくとも1兆5000億ドル(約210兆円)の追い証が発生する見通しで、この支払い支援で政府が流動性を拡大しない限り、市場が機能を停止する恐れがある。同社幹部はインタビューで、問題はデリバティブ取引に集中しているとし、デリバティブ取引を支えるために必要だと試算した1兆5000億ドルは「保守的な」見積もりだと説明した。

リセッションなくても減益

ウォール街きっての弱気派の一人、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が経済成長の減速を受け米企業業績の見通しに一段と悲観的になっている。同氏は今年の1株利益(EPS)の増加予想を下方修正し、株式にとってはインフレ高進とタカ派寄りの米金融当局よりも、景気減速がより大きな懸念材料となる公算が大きいと指摘。リセッション(景気後退)に陥らなくても2023年には3%の減益になると予想した。

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