- PCE価格指数、ISM指数が50割れ、JPモルガンの弱気見通し
- 田村審議委員インタビュー、ロシア産原油の上限価格
S&P500種株価指数は200日移動平均近辺でもみ合いとなりました。現在の水準は年初に付けた最高値と春夏の高値を結んだトレンドラインにも近く、ここを大きく上抜くには、景気のソフトランディングを実現できるかどうかが重要。米国株の弱気派はこれに失敗して来年にリセッション(景気後退)入りするとみています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
ソフトランディング期待
10月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.2%上昇と、市場予想(0.3%上昇)を下回り、今年に入って2番目に低い伸びにとどまった。前年同月比では5.0%上昇と、予想に一致した。個人消費支出は伸びが加速した。米金融当局が利上げを続ける中でも、リセッションを引き起こすことなくインフレを抑制できるとの期待を生じさせる内容となった。
50割れ
米供給管理協会(ISM)が発表した11月の米製造業総合景況指数は49.0と、2020年5月以来で初めて50を割り込み、活動縮小を示した。受注の指数は3カ月連続で低下し、生産が弱含んだ。仕入れ価格の指数は8カ月連続で下げ、2020年5月以来の大幅な縮小となった。入荷遅延と輸入はいずれも約2年ぶりの低水準となり、需要軟化の兆候を示した。一方、失業保険新規申請件数が減少したが、継続受給者数は2月以来の高水準に増加した。
暗い見通し
米国株は2023年1-6月(上期)に大幅に下落するとの見通しをJPモルガン・チェースのストラテジストらが示した。経済が緩やかなリセッションに陥る一方、米連邦準備制度は利上げを続けるとみている。ドゥブラフコ・ラコスブハス氏らストラテジストは1日のリポートで、S&P500種株価指数が来年上期に今年の安値を試す可能性が高いとの見方を示した。その場合、現水準から約12%の下落となる。ゴールドマン・サックス・グループとドイツ銀行も今週、来年の米国株の激しい動きを予想した。
点検・検証が必要
日本銀行の田村直樹審議委員はブルームバーグニュースとの単独インタビューで、金融政策の枠組みや2%の物価安定目標の在り方について適切なタイミングで点検や検証を行う必要があるとの見解を示した。その結果を踏まえて、金融政策運営が正常化に向かうのか、緩和の持続性を強化することになるかは結果次第だと語った。具体的なタイミングは「もうすぐ来る可能性もあるし、もう少し先になる可能性もある」と述べた。
上限60ドルで
欧州連合(EU)加盟国は、ロシア産原油に設定する上限価格をバレル当たり60ドルとする案で一致し始めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。EUは5日からロシア産原油の大半について輸入を禁止する予定で、これを前に加盟国間の合意をまとめたい考えだ。EUは2023年1月半ばから定期的に上限価格を見直し、2カ月ごとに価格を修正できるメカニズムも検討しているという。
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