[サンフランシスコ 24日 ロイター] – 米電気自動車(EV)大手テスラの株式非公開化計画を巡る集団訴訟で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は24日、非公開化のための資金を確保したとツイートした際、株主と情報を共有しようとしたとし、だます意図はなかったと証言した。

マスク氏は2018年8月7日、テスラを1株当たり420ドルで非公開化するための「資金を確保した」とツイートした。これを受けテスラ株は急騰したが、その後、買収が実現しないと判明すると下落。テスラ株主は多額の損失を被ったと主張している。

この日の証言でマスク氏は、弁護士のアレックス・スピロ氏の質問に答える形で、テスラの非公開化に関心があるという情報を全ての投資家と共有するつもりだったとし、「悪意はなかった。株主のために正しいことをしようとしていた」と述べた。

その上で、株主のフィードバックに基づき、非公開化計画を取り下げたと証言。「多くの投資家、特に小口投資家と話した際、テスラを公開企業のままにした方が良いとの見解が示され、こうした希望に応えることが重要だと考えた」と述べた。

この日の証言では、問題のツイート後に開かれた取締役会のメモや文書などが陪審員に提示された。非公開化計画についてマスク氏と協力していたゴールドマン・サックスは取締役会で、非公開化のための資金は十分すぎるほどあると示唆したとされる。

これについてマスク氏は「資金は全く問題になっていなかった」と証言。ゴールドマン・サックスからコメントは得られていない。

ただ、マスク氏は原告側弁護士のニコラス・ポリット氏の質問に対し、サウジの政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)のほか、ラリー・エリソン、シルバーレイクといった投資家候補のいずれとも、具体的な資金調達について協議しなかったと語った。

ポリット氏はマスク氏に対し、資金調達を巡る協議について「イエス」もしくは「ノー」で回答するよう求めたものの、マスク氏は繰り返し抵抗。判事が弁護士の質問に協力する場面もあった。

マスク氏は20日と23日にも証言。23日の証言は5時間に及んだ。マスク氏のツイートでテスラの株価が人為的に高騰したかなどについて陪審員9人が判断を下す。