[シンガポール 8日 ロイター] – 海洋に流出するプラスチックごみが2005年以降、「前例のない」ペースで急増しており、追加の対策を講じなければ40年までに3倍近くに増加する可能性があるとの報告書が8日公表された。
報告書は査読付きの論文。プラスチックごみを減らす運動を進めている米団体「ファイブ・ジャイルズ・インスティチュート」がまとめた。
海洋を漂うプラスチック粒子は19年までに推定171兆個に達した。法的拘束力のある政策を国際的に導入しなければ、40年までに2.6倍に増える可能性があるという。
報告書では、6つの主要海洋地域にある1万1777の海洋観測所で1979─2019年に収集した海上の汚染データを調べた。
同団体の共同創設者マーカス・エリクセン氏は「ミレニアム以降、世界の海洋のマイクロプラスチック(微細なプラスチック)が指数関数的に増加しているという驚くべき傾向が示された」と指摘。「問題を根本から解決する、強い法的拘束力のある国連の国際条約が必要だ」と述べた。
マイクロプラスチックは海水汚染の原因となるだけでなく、餌と間違ってプラスチックを食べた海洋生物の臓器を損傷させる恐れがある。
専門家は、今回の報告書について、プラスチックによる海洋汚染が過小評価されていたことが明らかになったと指摘している。