[北京/パリ 24日 ロイター] – 中国外務省の毛寧報道官は24日の定例会見で、同国の駐仏大使がウクライナなど旧ソ連諸国の主権に疑問を示したことについて、国家主権については自身の発言が中国の公式見解だと述べた。

同報道官はこれに先立ち、中国は全ての国の主権、独立、領土の一体性を尊重し、国連憲章の目的と原則を支持すると述べていた。

中国の盧沙野・駐仏大使は21日放映された仏テレビのインタビューで「旧ソ連国の主権国家としての地位を明文化している国際合意はないため、国際法上に明確な地位はない」と発言した。

毛報道官は、ウクライナを中国は主権国家と認めるかとの質問に、この問題に関する中国の立場は客観的かつ公平だと説明。「ソビエト連邦は連邦国家で、対外的には連邦として国際法の下に置かれていた。連邦解消後は、さまざまな(旧)共和国が主権国家の地位を有する」と述べ、主権国家のみが国連加盟国になれるとした。

在仏中国大使館はその後、ウクライナに関する盧氏の発言は「政治的な宣言ではなく、個人的な見解の表明」とする声明を発表。発言を「過大解釈」するべきではないとした。

フランス外務省は、中国の「説明」に「留意している」と表明。外務省当局者がこの日に盧大使に会い、発言は受け入れられないと伝えた上で、「自国の公式姿勢に沿った」形で発言するよう呼びかけたと明らかにした。

欧州連合(EU)のミシェル大統領は、6月のEU首脳会議でEUの今後の中国との関係について協議するとしている。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はMSNBCに対し、中国とロシアは明らかに連携していると指摘。中ロは国家の主権を尊重する国際秩序に真っ向から挑戦し、弱体化させようとしており、米国とその同盟国やパートナー国の影響力を衰退させようとしていると述べた。

盧大使は中国の「戦狼(せんろう)外交」を代表する外交官の一人として知られる。