[国連 24日 ロイター] – グテレス国連事務総長は24日、ロシアのラブロフ外相が議長を務める国連安全保障理事会の会合で、世界の大国間の紛争リスクは「歴史的な高さ」にあると懸念を示した。

安保理の議長は輪番制で、15理事国が毎月交代で務める。4月はロシアが議長国になったため、ラブロフ外相がこの日の会合の議長を務めた。

グテレス事務総長は会合でラブロフ氏の隣に座り、ロシアによる侵攻でウクライナに「大規模な苦しみと荒廃」がもたらされ、新型コロナウイルス感染拡大に端を発した世界経済の混乱が煽られていると非難。「大国間の緊張は歴史的な高さにある。不注意や誤算による紛争のリスクもある」と懸念を示した。

ラブロフ氏は「冷戦時代よりも危険な領域に達した可能性がある」とし、「多国間主義への信頼が失われ、状況は悪化している」と指摘。「西側諸国の少数派が全人類を代表して発言することを誰も許したことはない」と述べた。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、この日の安保理会合の議長を務めるロシアは国連憲章に反して隣国ウクライナに侵攻したとし、「この違法でいわれのない戦争は、侵略戦争と領土征服は決して受け入れられないというわれわれの最も神聖な原則に真っ向から対立する」と非難した。