• 9月決断まだとシカゴ連銀総裁、日銀緩和脱却に賭ける運用各社
  • 2019年のような上昇相場、米欧が新たな対中戦略、トランプ氏

新型コロナウイルス禍の累積需要で高まった旅行意欲に一服感が出始めているようです。米消費者による国内主要航空会社からの直接購入は4-6月(第2四半期)に総じて減少し、約2年ぶりに落ち込んだことが明らかになりました。一方で航空運賃は最近のデータで値下がりしています。これが空の旅ブームを後押しするのか、それとも航空業界の業績圧迫要因になるのか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

9月の決断はまだ

米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレ鈍化を示すデータは「素晴らしいニュース」だが、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げの一時停止を支持するかどうかは決めていないと語った。ヤフー・ファイナンスとのインタビューで同総裁は「次回の会合までに、さらにいくつかの重要なデータを得られる」と指摘。リセッション(景気後退)を招くことなくインフレ率を金融当局の目標まで引き下げる「黄金の道筋」をたどることは現時点で確実に可能だとの見解を示し、「われわれはかなり良い線を進んでいるように見える」と語った。

緩和脱却に賭け

大手資産運用会社は日本銀行が世界で最も大胆な金融緩和の実験から撤退する道を順調に歩んでいるとの確信を深めている。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)とUBSグローバル・ウェルス・マネジメントは、インフレが高止まりする中、日銀が意外に早く国債利回りの制限を解除する可能性があるとの見方から、円を選好。RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは日本国債のショートポジションを最大にしている。一方、日銀のYCC運用柔軟化は政策変更の「中途半端な試み」で、先行き円の重しになるだけだと、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者ウィン・シン氏は指摘。ドル・円相場について、1ドル=145円まで確実に上昇すると予想している。

2019年のような上昇相場

弱気派で知られるモルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は、米国株は29%上昇した2019年と同じ道筋をたどっているとの見方を示した。「今日のデータは、現在が政策主導の後期サイクル上昇相場であることを示唆している」とリポートで指摘。19年は連邦準備制度が金利据え置きの後に利下げをし、年末にかけてバランスシートを拡大させた。同氏はその上で、米連邦準備制度が19年の7月には既に利下げをしていたことや、現在のバリュエーションが当時のピークを上回る水準に既に近づいているなどの違いも挙げた。

新たな戦略議論

米欧の当局者らは、中国が旧世代半導体の生産を加速させていることについて懸念を強めており、中国の拡大を抑制する新たな戦略を議論している。バイデン米大統領は先端半導体について、中国の調達能力を広範に制御する措置を導入。しかし中国は、輸出禁止の対象ではない「レガシー半導体」製造工場に巨額の資金を投じることで、これに対抗した。中国が半導体を使って自国に優位な展開に持ち込むことを米国は警戒しており、なんとしても阻止する構えだと、関係者は話した。措置を講じる時期は決まっておらず、まだ情報収集の段階だが、全ての選択肢が議題に上がっているという。

圧倒的人気

2024年米大統領選挙の共和党指名争いでは、トランプ前大統領が支持率で他の候補者に圧倒的なリードを保っている。ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が実施した世論調査で明らかになった。31日公表された同世論調査結果では、共和党予備選の有権者の間ではトランプ氏の支持率は54%。他の候補者では、フロリダ州のデサンティス知事が17%で2位につけ、ペンス前副大統領やニッキー・ヘイリー元国連大使、サウスカロライナ州のティム・スコット上院議員はいずれも3%となっている。

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