[ニューヨーク 31日 ロイター] – 米証券取引委員会(SEC)は31日、未登録の暗号資産(仮想通貨)の発行で計10億ドル余りを違法に調達し、投資家からだまし取った1210万ドルで世界最大のブラックダイヤモンドなどの高級品を手に入れたとして、起業家のリチャード・ハート氏(43)をブルックリンの連邦地裁に提訴した。

訴えによると、ハート氏は動画投稿サイト「ユーチューブ」や他のサイトで自ら創設した仮想通貨「ヘックス」や取引プラットフォームの「パルスX」などを「莫大な富」への道と誇大に宣伝した。

また投資家の資金で高級スポーツカーや高級腕時計を購入し、昨年2月にはサザビーズの競売で過去最大となる555カラットのブラックダイヤモンド「エニグマ」を316万ポンド(428万ドル)で落札した疑いが持たれている。

SECによると、ハート氏は現在フィンランドのヘルシンキに滞在しているとみられる。ヘックスの価格は6月30日までに高値から98%余り下落。パルスXは事実上無価値になっているという。