29日、ソウル中心部で開かれた梨泰院の雑踏事故の追悼集会
29日、ソウル中心部で開かれた梨泰院の雑踏事故の追悼集会

 【ソウル時事】韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で日本人2人を含む159人が死亡した雑踏事故から、29日で1年を迎えた。現場となった路地には多くの人が訪れ、犠牲者を悼むとともに再発防止を願った。遺族らは現場周辺やソウル中心部で追悼集会を開き、真相究明を求めた。

〔写真特集〕ソウル・梨泰院で雑踏事故

 事故で娘を亡くした李正敏さんは、追悼集会で「この1年間、日常が止まってしまった。全てをささげて育てた子供たちが、触れることもできないまま消えてしまった」と訴えた。また、事故の責任が政府にあると批判し「再び起きることがないよう、惨事を記憶してほしい」と強調した。

 集会には、2001年に兵庫県明石市の歩道橋で起きた雑踏事故で、当時2歳の次男を亡くした下村誠治さんも参加。「命より大切なものはない。遺族と悲しみを共有し、再発防止策を考えてほしい」と呼び掛けた。

 尹錫悦大統領はソウルの教会で開かれた追悼礼拝に参加し、「国民の誰もが安全な日常を信じ、享受できる世の中をつくらなければならない」と表明。「『安全な大韓民国』という目標のため、さらに努力する」と誓った。

 現場の路地では、犠牲者の追悼に訪れる人が絶えない。事故当日に近くまで遊びに来ていたという20代の女性は「忘れないという思いを伝えたい」と路地を訪ね、犠牲者の冥福を祈った。「とてもつらかった。現場を通っていたら、自分も巻き込まれていたかもしれない」と話した。

 ハロウィーン前に起きた昨年の事故は、狭い路地に大勢の若者らが密集して発生。警察や行政が適切な安全対策を行わなかったことが判明し、当時の地元警察署長や区長らが起訴された。