【エルサレム時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止は26日、3日目に入り、ハマスは3日連続で人質の一部を解放した。イスラエル側もパレスチナ囚人を釈放する見通し。25日にはハマスがパレスチナ自治区ガザ北部への支援物資搬入が不十分だとして解放を遅らせており、合意が引き続き履行されるか予断を許さない状況が続いていた。

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 イスラエル軍は26日、ハマスから人質を受け渡される赤十字国際委員会(ICRC)の情報として、イスラエル人14人と外国人3人の人質が解放されたと発表した。ハマスが解放を明かしていたロシア国籍を持つ人質1人も含まれるとみられる。

 ハマスは25日、拉致したイスラエル人ら17人を解放。イスラエル側もその後、収監していたパレスチナ人の女性や未成年者39人を釈放した。4日間の休止期間中、ハマスは計50人の人質、イスラエルはその3倍のパレスチナ人を解放・釈放することで合意している。

 しかし、ハマスは25日、「人質解放に着手」と報じられた後、「イスラエルが合意内容を順守するまで、第2陣の人質解放を遅らせる」と発表。交渉仲介役のカタール政府などが調整に当たり、解放実現に至った。

 ハマス幹部は会見で、イスラエルとの合意に盛り込まれたガザ北部への支援物資搬入について、実際は約束の「半分にも満たない」と主張。イスラエル側は、ガザ内で物資分配を担う国連に責任があると反論している。国連人道問題調整事務所(OCHA)は25日、同日だけでトラック61台が、食料や水、医療物資をガザ北部に運んだと発表した。