　ダイハツ工業が車両の認証試験で大規模な不正をしていた問題で、国土交通省は21日朝、ダイハツの本社（大阪府池田市）への立ち入り検査を始めた。道路運送車両法に違反する可能性もあるとして、関係者から事情を聴き、行政処分の可能性も含めて検討する。

　国交省は今後、不正の事実関係や車両の安全性などについて調べる。同省は20日、ダイハツに対し、国の基準への適合性が確認されるまで車の出荷を停止するよう指示。あわせて、ダイハツが国内で手がける全28車種が安全性の基準に適合しているかの技術検証を始めると発表していた。

　ダイハツは20日、試験データの捏造（ねつぞう）や改ざん、車両の不正な加工など新たに174の不正が判明したと発表。国内外で手がける全車両の出荷を当面停止すると表明した。

　同社は社内検証の結果、不正の対象となった車両のほとんどは「安全性に問題はない」とした。一方、「キャスト」とトヨタブランドの「ピクシスジョイ」の2車種は、エアバッグの作動後にドアをロックしてしまい、外からの乗員救出に支障が出る恐れがあるという。法規制に適合しない可能性もあるといい、追加の検証を進めている。（中村建太）

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