▽ウクライナ軍、ロシアに越境攻撃-2022年の侵攻後で最大規模<bloomberg日本語版>2024年8月8日 1:25 JST
- 1000人規模のウクライナ軍、クルスク州制圧目指す-ゲラシモフ氏
- ロシア政府、西部クルスク州に緊急事態を宣言
ロシアのプーチン大統領は7日、2022年の侵攻以来で最大規模となっているウクライナによるロシア越境攻撃について国防と安全保障のトップを招集し、説明を求めた。
ゲラシモフ参謀総長はテレビ放映されたプーチン大統領との会議で、兵士約1000人のウクライナ軍が国境を越え、ロシア西部クルスク州の制圧を目指して攻撃したと述べた。ロシア軍は部隊を派遣し、空爆と大砲を用いて「領土への深い進軍」を食い止め、攻撃を終わらせるために戦闘を続けているという。
欧州天然ガス価格は大幅上昇。ウクライナ軍がクルスク州スジャを制圧したとの軍事ブロガー「ライバー」のリポートが、価格上昇を引き起こした。スジャはウクライナ経由で欧州に送られる天然ガスの積み替え地点。このリポートは独立的な検証が行われていない。
ロシアの国営ガスプロムはコメントを控えた。ウクライナ国防省もコメントしなかった。これより先、ガスプロムが毎日発表するリポートでは、天然ガス輸送は通常レンジ内となっている。一方でウクライナの輸送システム会社によれば、現地時間午後1時(日本時間8日午前1時)現在、同国経由の輸送は正常に続いている。
ウクライナは3年目に突入したロシアによる侵攻から防衛を続けると同時に、ロシアの戦争能力をそぎ落とすことを目的に、インフラや産業・軍事施設を標的にドローン(無人機)攻撃を実施してきた。これまでで最も大胆な行動といえるクルスク州への越境攻撃は、プーチン大統領との戦争をロシア領内に押し戻すとともに、一般ロシア人の安全を保証するとしたプーチン氏の主張を損なう。
ロシアは7日発効でクルスク州に緊急事態を宣言した。同州の知事代行、アレクセイ・スミルノフ氏はソーシャルメディアのテレグラムで、ウクライナによる攻撃がもたらした「影響を排除する」ことが目的だと説明した。
原題:Russia Fights Largest Incursion by Ukraine Troops Since Invasion(抜粋)
原題:Russia Declares State of Emergency in Kursk Region: Official(抜粋)