- 13対11で承認、共和党ティリス議員が賛成-民主党の支持は得られず
- 透明性が低く政治の影響を受けやすい枠組みに向かう可能性-ダコ氏

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米上院銀行委員会は29日、トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名したケビン・ウォーシュ元FRB理事を賛成多数で承認した。これによりパウエル現議長の議長としての任期が切れる5月15日までに、上院本会議での採決が行われる見通しとなった。
銀行委員会での採決結果は党派に沿い、13対11だった。
ウォーシュ氏の指名承認を巡っては、同委員会の有力委員であるティリス上院議員(共和)が、FRB本部改修の費用超過に関する刑事捜査問題が片付くまで承認しないとの立場を表明し、手続きが進まない状態となっていた。
FRBの独立性を脅かすとして捜査を批判してきたティリス議員は、NBCのインタビューで、FRBの監察官が刑事告発しない限り司法省が捜査を再開することはないとの保証を得たとして、賛成に回った。

上院銀行委員会で民主党の賛成は得られなかった。ウォーレン議員(民主)は、トランプ氏が依然としてFRBのコントロールを狙っていると警告。民主党議員らは、住宅ローン契約を巡るクックFRB理事に対する政権側の法的追及も終わらせるよう要求している。
今回の承認を受け、ウォーシュ氏が率いるFRBという見通しが実現に近づいた。同氏が目指すのは、FRBにとってここ数年で最大級の変革だ。
「レジームチェンジ(体制転換)」の可能性に言及してきたウォーシュ氏は、6兆7000億ドル(約1070兆円)規模に上るFRBバランスシートの縮小やインフレ管理の新たな枠組み構築、対外コミュニケーションの見直しを掲げている。しかし、それらの目標をどのように追求するか、詳細はほとんど示していない。
金融政策に関してトランプ氏からの強い圧力に直面する可能性は非常に高い。トランプ氏は4月21日のCNBCとのインタビューで、ウォーシュ氏が就任後すぐに利下げを行わなければ失望するだろうと述べた。こうした中でウォーシュ氏はFRBの独立性を守ると表明している。
EYパルテノンのチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は、バランスシート縮小やインフレ対応の新たな枠組み、コミュニケーション手法の見直しといったウォーシュ氏の主張を踏まえると、同氏がFRBの独立性を守る姿勢を明確に示す必要性が一層高まると指摘。
「総合的に考えると、より中央集権的で透明性が低く、政治的影響を受けやすい政策枠組みへと向かう可能性が示されている」と述べた。
原題:Fed Chair Pick Kevin Warsh Wins Key Senate Committee Vote(抜粋)