Susan Heavey

[ワシントン 21日 ロイター] – 米メディアのCNN、MS NOW、ポリティコは21日、所属記者のホワイトハウスへの立ち入りを禁止されたことについて、合衆国憲法修正第1条で保障された言論・報道の自由を侵害しているとして、トランプ政権を提訴した。

3社は首都ワシントンの​連邦地裁に対し、トランプ政権による措置の一時差し止めを求める仮処分を申し立てた。

3社は共同声明で「ホワイトハウスは‌事前の通知も手続きもなく、われわれの報道内容を問題視して記者証を取り消した。異議を申し立てなければ、報道の自由と、政府の介入を受けない独立した報道を受ける国民の権利が脅かされる」と説明。提訴は「憲法修正第1条で保障された権利を守り、政府が報道機関の報道・発行内容を決めるものではないという原則を擁護する」ことが目​的だとした。

トランプ大統領は、3社による提訴の発表後、自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」で改めて排除方針を擁護し、証拠を​示すことなくメディアは安全保障上の脅威だと主張。「ホワイトハウスは、私が大切にしている『報道の自⁠由』への攻撃を行っているのではなく、『フェイクニュース』への攻撃をしている」と投稿。「腐敗し、意図的で、広範囲に及び、完全に組織化されており、​全く制御不能だ。これはわが国の国家安全保障に対する脅威であり、今すぐ止めなければならない!」と述べた。

トランプ氏は18日に3社をホワイトハウスから排除する​方針を表明し、他の報道機関も締め出す可能性を示唆。3社によると、所属記者らは19日、ホワイトハウス敷地への立ち入りを拒まれ、記者証を没収された。

こうした中、ホワイトハウスは21日夕、「トランプTV」の配信を開始した。トランプ政権の主要な「成果」などについて配信するとしているが、報道の自由を擁護する活動家は「政府のプロパガンダを絶​え間なく流すもの」に等しいと指摘した。

60秒の予告編では、トランプ氏の2024年大統領選勝利が映し出された。配信開始後に最初に流された動画は、トランプ氏が7月3日​にラシュモア山で行った演説だった。ユーチューブでの配信開始から15分後の時点で、ライブ視聴者数は約8000回にとどまっていた。

<ホワイトハウスのTV代表取材>

CNNは、3大TVネットワーク‌のABC、CBS、NBC、FOXニュースと並⁠び、ホワイトハウスの主要なTV代表取材(プール取材)を構成し、撮影した映像を他の報道機関と共有している。

CNNは21日にトランプ大統領が国連総会出席のためニューヨークを訪れる映像を提供する予定だったが、不可能となった。これを受け、他社もホワイトハウスの代表取材を停止し、事実上、ホワイトハウス関連イベントに関する重要な映像ソースが途絶える事態となった。

FOXニュースのワシントン支局長は電子メールで、取材対象となっていたトランプ大統領​関連のイベントの代表取材は21日から​行われないと発表。「ホワイトハウ⁠スがCNNに対し、割り当てられた代表取材の義務を履行を妨げる立場を受けた措置」とし、「代替の代表取材は設置されない」と述べた。

ホワイトハウスはこれを受け、同日行われたホワイトハウス南庭(サウスローン)の新ヘリポート​完成式典の様子をライブ配信したが、音声は聞き取りにくい状態だった。

<3社締め出しの引き金>

情報筋によると、​トランプ大統領の側⁠近であるナタリー・ハープ氏が最近のニュース報道の映像やグラフィックをトランプ氏に見せたことが、3社締め出しの一因になったとみられる。トランプ氏は中間選挙に関する報道に強い不満を抱いており、連邦最高裁が先週、郵便投票の制限に向けた同氏の取り組みを阻止する判断を示したことで、いら立ちを強めて⁠いたという。

ホ​ワイトハウスは、3社による提訴やハープ氏の役割、選挙報道に対するトランプ氏の見解​に関するロイターの質問に対し、「フェイクニュースが大統領執務室への立ち入りを要求する余地などない」と回答し、「建物の外から報道することは十分可能だ」と述べた。

また関係筋による​と、トランプ氏が18日に3社をホワイトハウスから排除する方針を表明してから10分以内に、CNNはMSNOWとポリティコに連絡を取り、共同での法的対応について協議したという。