Tom Balmforth, Antoni Slodkowski, Simon Lewis

[ニューヨーク/モスクワ/国連 23日 ロイター] – ルビオ米国務長官は23日、ロシアのラブロフ外相と国連総会が開かれているニューヨークで会談した。会談後、ロシアとウクライナの双方が穀物関連施設やエネルギー関連施設を対象とする限定的な停戦に関心を示していると述べたほか、ロシアのプーチン大統領が20カ国・地域(G20)首脳会議への招待を受け入れることを期待するとし、プーチン氏が出席すればトランプ米大統領と会談する機会になるとの認識を示した。
ウクライナは、ロシアが今冬も発電施設や暖房施設を標的にする可能性を懸念しており、エネルギーインフラへの攻撃停止や黒海の海上輸送に関する安全保障を求めている。ルビオ氏はラブロフ氏との会談後に記者団に対し「ロシアとウクライナの双方が穀物とエネルギーを巡る限定的な停戦に関心を示している」と述べた。ただ「実現は容易ではない」とも指摘。エネルギー関連施設への攻撃が双方の戦術上の中核になっていることで停戦実現が難しくなっているとの認識を示した。
ロシアはエネルギー施設などに限定した停戦などを巡る取り決めに応じる用意があるとの考えを公に示しておらず、ルビオ氏の発言がラブロフ氏との会談で何らかの進展があったことを意味するのか、現時点では明らかになっていない。
<ラブロフ氏、「特別軍事作戦」目標達成継続と表明>
ロシア外務省もラブロフ氏がルビオ氏と会談したと発表。ウクライナと中東の情勢や、米ロ関係の改善など幅広い課題について「詳細な意見交換」を行ったとした。
また、ラブロフ氏はウクライナと「欧州の支援国」との連携のほか、ウクライナによる国境を越えた攻撃について言及。「ウクライナによる破壊的な行動や民間人、国境を越えるインフラ施設への意図的な攻撃について言及した」とし、こうした攻撃が「世界のエネルギー市場の不安定化につながっている」と伝えた。
同時に、ロシアはウクライナでの「特別軍事作戦」の目標達成に引き続き取り組む姿勢を表明。これには、ロシアがウクライナ全面侵攻の「根本的な原因」と位置付ける問題を考慮した形での解決も含まれるという。
ラブロフ氏はこのほか、米ロ関係の「早期改善」の必要性を強調し、将来的な経済協力拡大の可能性にも言及。「そのためには『懸案事項』の解消と両国の在外公館の正常な運営回復に向けた率直な対話が必要だ」とし、「事実上没収された米国内のロシア資産」の返還が必要になるとの認識を示した。
ラブロフ氏はこの日、ロシア・ウクライナ戦争を討議する国連安全保障理事会の会合に出席。会合で行った演説で、「欧州は停戦による時間稼ぎを望んでいるに過ぎない。目的はウクライナに武器供与を続けることにある」と述べ、ロシアには一時停戦を受け入れる考えがない可能性を示唆した。
<ゼレンスキー氏、黒海海上停戦案を支持>
ウクライナのゼレンスキー大統領はこの日、国連総会に合わせて開催された「クリミア・プラットフォーム」首脳会合で行った演説で、エジプト、インド、トルコが提案した黒海の海上停戦案を受け入れる用意があると表明。対応はロシア次第になるとの認識を示した。
ゼレンスキー氏によると、会合でエジプト、インド、トルコが黒海での商船の安全な航行を回復するための選択肢を提示。「ロシアの回答を待っている」とし、「ロシアも緊張緩和に向けた真剣な措置を取れば、ウクライナは黒海の安全な航行と食料安全保障の確保に向けて準備ができている。どこかから始めなければならない」と語った。
黒海ではロシアとウクライナの双方による船舶や港湾インフラへの激しい攻撃を受け、貨物輸送がほぼ停止している。