Stephen Nellis, 山崎牧子, David Shepardson

半導体チップのイメージ写真

[ニューヨーク/ワシントン 14日 ロイター] – 日本は米ニューヨーク州に半導体工場を2カ所建設するために最大210億ドルを投資する。これらの工場は日米で共同保有し、半導体受託生産大手のグローバル​ファウンドリーズ(GF)(GFS.O)、新しいタブで開きますが運営する。同社が14日に発表した。

米国が日本車などの輸入品に対する関税を少なくとも25%から15%に引き下げる見返‌りとして、日本が5500億ドルを対米投資することで合意した枠組みの一環。トランプ米大統領は、日本による投資は「米国の産業基盤を再生し、数十万人規模の良質な雇用を創出するとともに、米国の国家・経済安全保障を強化するために私が実現した歴史的な通商合意の成果だ」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース​・ソーシャル」に投稿。ニューヨーク州で建設と供給網に関連する高賃金の雇用2万7000人と、1000人を超える高度技能の製造業の雇用が創出​されるとした。

また、米政府はGFに対し計16億3000万ドルの助成金を提供しており、政府が保有するGF株式7%の価値は20億ドルを超えると主張。「⁠助成金を米国のための資金に変えた政権はわれわれが初めてだ」とした。

GFによると、米政府は新たな半導体工場の持ち分を取得するが、​投資資金は全て日本が提供する。アブダビの政府系ファンドであるムバダラ・インベストメントが過半株式を保有する同社は、工場の​建設と運営、工場への半導体製造技術のライセンス供与から手数料を得る。

別の合意に基づき、米政府はGFの株式4%を取得し、同社に対する米国の保有比率は約7%になる。GFのティム・ブリーン最高経営責任者(CEO)がロイターに明らかにした。

ブリーン氏によると、GFが顧客関係を管理し、NY工場の初期顧客には日本のルネサスエレクトロニクス(6723.T)、新しいタブで開きますと米アッ​プル(AAPL.O)、新しいタブで開きますが含まれる。

同氏は「米国と日本の顧客を優先したいと考えている」と説明。「最終的には米日以外の企業からも需要が見込まれる​と思うが、どの企業にどの期間で何を提供するのかを最終決定するプロセスを経ていくことになる」と述べた。

日本はこれまで、この投資制度の下で‌総額1000億ドルを超え⁠る2つのプロジェクト群を発表している。

米国との取り決めに基づき、トランプ米大統領は日本が資金提供するプロジェクトを選定する。投資から得られる利用可能なフリーキャッシュフローは、日米双方が一定額を回収するまでは両国間で均等に分配され、その後は90%が米国に配分される。

ブリーン氏は、日本からの資本投資の少なくとも一部は、東京エレクトロン(8035.T)、新しいタブで開きますなどの半導体製造装置メーカーや、米企業と並んでサプ​ライチェーン(供給網)を支配​する他の日本企業に利益還元さ⁠れると述べた。

「もちろん、日本の機器サプライヤーがこの取り組みに参加することには強い関心を持っている」とし、「われわれは非常に柔軟な姿勢で臨むが、日本のエコシステムとは積極的に関わってい​くだろう。なぜなら、彼らは素晴らしい技術を持っているからだ」と述べた。

<年内に第1工場建設着手、2029年​に生産開始>

第1工場の建設⁠は年内に開始され、半導体の生産開始は2029年が見込まれている。GF幹部によると、28年末までに第2工場を建設するかどうか判断する。

第1工場の全面稼働開始後の年間生産能力は、直径300ミリメートルのシリコンウエハー(基板)換算で約90万枚。米国有数の半導体製造施設となり、ニューヨーク州で1000人超の工場雇用が創⁠出されると見​込まれている。

GF幹部は投資家向け説明会で、今回の投資を受け少なくとも20年間にわたり​収入がもたらされるとの見通しを示した。米政府から既に交付されている9億5500万ドルの資金については、ニューヨーク州マルタとバーモント州バーリントンにある工場で​シリコンフォトニクス、シリコンゲルマニウムを用いた半導体材料、先端パッケージング分野への投資を加速するために振り向けるとした。