
[3日 ロイター] – 米政府は、韓国半導体大手SKハイニックス (000660.KS)、新しいタブで開きますが中国での生産拡大に必要とする米国製半導体製造装置の輸出承認を保留している。事情に詳しい関係者が明らかにした。これにより、SKハイニックスが計画する米ニューヨーク州での新たなメモリー半導体工場建設構想に不透明感が漂ってきた。
関係者の話では、SKハイニックスは中国・大連工場向け設備導入のため米国の輸出ライセンス取得を申請し、大連工場での生産拡大が米国事業への投資原資になると主張しているが、米商務省は現時点で新たなライセンスを承認していない。
同社傘下のソリダイムはニューヨーク州マーシーでNAND型フラッシュメモリー工場2棟の建設を計画しており、投資額は約450億ドルに達する見通し。関係者によると、将来的には総投資額が約1000億ドル規模に拡大する可能性もある。NANDは電源を切ってもデータを保持できる記憶媒体で、データセンター向けストレージなどに使用される。
今回の事案でトランプ政権が問われているのは、中国軍への技術流出を防ぐために設けられた対中半導体規制と、海外企業による対米投資や半導体生産の国内回帰促進との間で、どの程度柔軟な対応を取るのかという問題だ。
米議会が設立した超党派組織「米中経済安全保障調査委員会」の委員を務めるリーランド・ミラー氏は「最終的にはホワイトハウスの承認なしに、この計画は前進しないだろう」と述べた。ホワイトハウスはコメント要請に直ちには応じていない。
関係者によると、米政府とSKハイニックスとの協議はなお継続中で、大連工場拡張のための米国製半導体製造装置の輸出許可が、ニューヨークでのメモリー工場建設の実現に向けた前提条件になっているという。
建設予定地を抱えるニューヨーク州オナイダ郡のアンソニー・ピセンテ郡長は「今後数週間で何らかの回答が得られることを期待している」と述べた。また連邦政府の投資税額控除制度が年末に期限を迎えることにも言及した。
SKハイニックスは2020年、大連にあるインテル(INTC.O)、新しいタブで開きます のNAND事業を90億ドルで買収することで合意した後に大連工場とSSD事業の経営権を取得。だがその直後に米国は中国の先端半導体工場向け半導体製造装置に対する大規模な輸出規制を導入した。
当初は中国国内の外資系半導体工場に対する適用除外措置が存在したものの、米商務省は昨年こうした認可を「バイデン前政権時代の抜け穴」として撤廃し、年間ライセンス制度へ移行した。一定量の設備・技術輸出は認める一方、25年には「技術高度化や生産能力拡張を目的とするライセンスは発給しない方針」を示した。
一方SKハイニックスは、大連工場への設備導入は既存クリーンルームの空きスペースを活用するもので、生産能力自体の拡張には当たらないとの立場を示している。