4月の米自動車販売は、日産自動車が大幅減でアナリストの意表を突いた。その他大手もフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)を除き前年同月を下回った。ただ一部は市場予想に比べて健闘した。

日産自は28%減。アナリストは9.7%減を予想していた。日産とインフィニティの両ブランドでほぼ全車種が減少となった。フォード・モーターは4.5%減、FCAは4.5%増。両社ともアナリスト予想を上回ったが、日産自の大幅減が伝わった後にはフォード、FCAとも株価が反落した。

自動車購入ウェブサイト、オートトレーダー・ドット・コムでアナリストを務めるミシェル・クレブス氏は日産自の数値に触れ、「目を見開いている」とコメント。日産自は「レンタカー会社向けの大量販売や手厚いインセンティブ(販売奨励策)をこれまで実施してきた。それを減らしているようだ」と指摘した。

調査会社オートデータによると、業界全体の販売(季節調整後ベースの年率換算)は1710万台と、前年同月の1700万台をわずかに上回った。ゼネラル・モーターズ(GM)が先月、販売台数を四半期ベースのみで公表する方針を発表。月間の数値を明らかにしていないため、業界全体の販売台数の推計が一段と難しくなっている。

事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところによれば、GMの販売台数は2.5ー3%減だった。アナリストの予想平均は2.9%減。

日産自以外の日本勢ではトヨタが4.7%減となり、アナリスト予想(6.1%減)ほど落ち込まなかった。一方ホンダは9.2%減少し、アナリスト予想(7.3%減)を下回った。スポーツタイプ多目的車(SUV)とトラックに消費者がシフトする中、乗用車販売の落ち込みが続いた。4月は、トヨタ「カムリ」が5%減、ホンダ「アコード」が19%減。

原題:Nissan’s Shock Sales Plunge Jolts U.S. Auto Market’s Equilibrium(抜粋)