ソニーは、ムバダラインベストメントカンパニーが主導するコンソーシアムが保有する、EMI Music Publishingの株式約60%の持分すべてを、ソニーの子会社であるSony Corporation of Americaが買収する事で基本合意書を締結。ソニーが支払う買収費用は約23億ドル(日本円で約2,500億円)程度を想定、ソニーはEMI Musicの持分約90%を間接的に保有することになり、EMI Musicはソニーの連結子会社となる。

22日に開催された2018-2020年度の中期経営方針説明会で、買収について説明するソニー社長 兼 CEOの吉田憲一郎氏

EMI Musicは、クイーン、キャロル・キング、モータウンのカタログなどのクラシックや、カニエ・ウェスト、アリシア・キーズ、ドレイク、サムスミス、ピンク、ファレル・ウィリアムズ、カルヴィン・ハリス、フェティ・ワップ、ホージア、シーアなどの最新楽曲を含む、200万を超える楽曲数の著作権を保有、または管理している。

ソニーグループでは、Sony/ATVと、ソニーの子会社であるソニー・ミュージックエンタテインメントの合計で、ビートルズの楽曲も含め230万曲以上の権利を管理。EMI Musicをソニーグループに加える事で、「音楽出版市場におけるナンバーワンポジションを維持できる」(ソニー社長 兼 CEOの吉田憲一郎氏)という。

過去6年間、ソニーの音楽出版会社であるSony/ATV Music Publishingは、EMI Musicの契約する楽曲制作者の作った様々な曲を管理。さらに、EMI MusicとSony/ATVで新たな楽曲制作者との契約を折半する形で拡大することで、EMI Musicの事業の価値向上に取り組んできた。さらに、有料サービスを含むストリーミング音楽配信が世界的に伸長した事で、EMI Musicのカタログの価値は向上している。

買収の目的として吉田氏は、「音楽産業は定額音楽ストリーミングサービスの伸長を背景に、近年成長に転じている。当社はエンタテインメント領域における強力なIPのポートフォリオ構築に集中しており、今回の買収は当社の長期的な成長に向けた重要な布石となる」とコメント。

ソニーとコンソーシアムは2012年に共同で、シティグループの完全子会社からEMI Musicを買収。コンソーシアムはムバダラ・キャピタルのプライベートエクイエティ部門により出資、及び組成され、買収成立以降は同部門がムバダラ及び第三者の投資家を代表してEMI Musicを経営してきた。

今回、EMI Musicの企業価値は47.5億ドルを前提として売却される。また、ソニーは取引の完了時にEMI Music Publishingの総負債約13億5,900万ドルも承継。また、取引完了に伴い、ソニーは既保有のEMI Music持分に関する再評価益を、営業利益に約1,000億円計上する見込み。再評価益、EMI Music Publishingの連結子会社化に伴うソニーの業績への影響は、2018年度業績見通しに反映されておらず、現在精査中だという。