EU=ヨーロッパ連合の首脳会議が始まり、難民の受け入れ制度の見直しについて協議していますが、受け入れに伴う負担をめぐって各国の意見は対立していて難航しています。

EU首脳会議は28日、ベルギーの首都、ブリュッセルにあるEU本部で2日間の日程で始まり、初日は難民の受け入れ制度の見直しなどについて協議しています。

この問題をめぐっては各国ともEU域外からの流入を抑えることでは一致していて、国際的な保護が必要な難民と経済移民をより分けるために一時的な収容施設を作る案などについて話し合っています。

しかし、域内に入ってくる移民や難民の受け入れ制度の見直しについては各国の意見が対立しています。移民や難民に厳しい政策を掲げるイタリアのコンテ政権は、イタリアは大きな負担を強いられているとして、ほかの加盟国も相応の負担をすべきだと強く主張しています。

一方、ドイツのメルケル首相は、イタリアなどを経由して流入する難民を抑え込むため、今回の首脳会議で打開策を見いだすよう政権内の一部から強く求められていて、首脳会議の結果次第では政権が大きく揺らぎかねない事態になっています。

さらに、ハンガリーやポーランドなどの中東欧諸国は依然、難民などの受け入れを拒否する姿勢を変えておらず、各国の意見の調整は容易ではなく、協議は難航しています。