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孫氏はビジョン・ファンド出資のPIF責任者の夕食会も欠席
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ソフバンクは記者殺害問題で難しい立場に追い込まれた
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と22日にリヤドで面会したが、同地で開催中の投資会議への参加は見送ると、事情に詳しい関係者2人が明らかにした。両関係者とも、孫氏の予定は非公開だとして匿名を条件に語った。
孫氏はサウジの政府系ファンド、公共投資ファンド(PIF)のマネジングディレクター、ヤシル・アルルマヤン氏の自宅で22日夜に開かれた夕食会も欠席したという。孫氏は23日にリヤドをたつ。
23日に開幕したサウジの投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」を巡っては、同国政府に批判的なジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された事件を受けて参加を取りやめる企業幹部が相次いでいた。しかし、ソフトバンクが設立した1000億ドル(約11兆2400億円)規模のビジョン・ファンド(SVF)はPIFから450億ドルの出資を受けていることから、孫氏の投資会議欠席は特に注目される。孫氏の参加見送りは米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。
投資会議でスピーチを予定しているサレ・ロメイ氏ら、ソフトバンクの他の幹部は出席の予定を変えていない。ソフトバンクの中東事業責任者ファイサル・ラーマン氏も引き続きサウジにとどまっている。ただ、マルセロ・クラウレ最高執行責任者(COO)は22日、出席を取りやめた。
ソフトバンクは難しい立場に追い込まれている。ビジョン・ファンドへの出資を主導したムハンマド皇太子を支持すれば、同ファンドは将来有望なベンチャーとの取引から締め出されるなどの恐れもある。一方、ソフトバンクがムハンマド皇太子から離れれば、サウジは第2ビジョン・ファンドへの450億ドルも含め、出資を撤回する可能性がある。
ソフトバンクが支援している建設分野の新興企業カテラや垂直農法に取り組むプレンティなどは中東への進出を計画しており、両社は共にサウジの投資会議でスピーチを予定している。また、ビジョン・ファンドはウーバー・テクノロジーズなど著名新興企業にも多額の出資をしているが、ウーバーはPIFからも出資を受けている。ウーバーのコスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は、カショギ氏を巡る報道を受け最初に会議欠席を決めた1人。
原題:SoftBank’s Masayoshi Son Goes to Riyadh, Skips Conference (1)(抜粋)