23日、スリランカの最大都市コロンボで、連続爆弾テロで多くの死傷者を出した聖アンソニー教会(AFP時事)

 【コロンボ時事】日本人1人を含む多数の犠牲者を出したスリランカの連続爆弾テロ事件で、ウィクラマシンハ首相は23日、ニュージーランド(NZ)中部クライストチャーチで3月に起きたモスク(イスラム礼拝所)での銃乱射テロ事件の報復との見方を示した。また、新たなテロの可能性があるとして、警戒を呼び掛けた。

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 NZの事件では、2カ所のモスクが襲撃され、50人が犠牲となった。
 スリランカ政府は、国内のイスラム過激派「ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)」による犯行とみている。一方、過激派組織「イスラム国」(IS)は系列メディアを通じ、「スリランカで有志連合の国民とキリスト教徒を狙ったのはISの戦闘員だ」と犯行を主張した。

 首相は、今回の連続テロの実行犯が「ISとつながりがあるかもしれない」と指摘。ISの退潮に伴ってシリアから帰国したスリランカ人の動向を監視しているとも述べ、ISが関与した可能性も視野に入れていることを明らかにした。

23日、スリランカの最大都市コロンボで、日本人が死亡したシャングリラホテルのレストラン前で警備に当たる警官

 今回の事件を受け、スリランカ政府は23日、非常事態を宣言。これにより治安機関の権限を強化し、捜査の進展を図る。警察によれば、事件の死者は320人以上に達した。国連によると、子供の死者も少なくとも45人に上る。
 警察は事件に関連し、これまでに40人を拘束。首相は「全員がスリランカ人だ」と述べた。

 死亡した高橋香さんが被害に遭ったコロンボのシャングリラホテルでは2度爆発があったが、地元紙デーリー・ミラー(電子版)は、コロンボ中心部に工場を所有する男が自爆したと報道。また、AFP通信は、シャングリラホテルとシナモン・グランドホテル(コロンボ)を襲撃した自爆犯は、地元の富裕なスパイス商の息子たちだと伝えた。いずれもNTJの主要メンバーとみられる。

 NTJはこれまで危険な過激派として存在を認知されていたわけではなかったが、首相によると、自爆犯に関する情報がインド情報機関から事前に寄せられていた。また、別の閣僚によれば、情報は4日にもたらされた。国防省は9日、NTJの名前を明らかにした上で警察高官に情報を伝えたが、十分な対応は取られなかった。