【ワシントン時事】トランプ米大統領が不法移民対策として表明したメキシコ産品に対する制裁関税をめぐって、米紙ワシントン・ポスト(電子版)は3日、与党共和党の一部が阻止する決議を検討していると報じた。強硬姿勢を強めるトランプ氏に歯止めをかける狙いがある。

 トランプ氏は5月30日、不法移民対策に関連して2月に発令した国家非常事態宣言に基づき、メキシコからの全輸入品に最大25%の関税を課す制裁措置を発表した。しかし、実際に発動すれば米経済への影響は避けられず、与野党ともに異論が強い。報道によれば、共和党内では、非常事態宣言を無効化する決議を上下両院で可決させる案が浮上している。

 両院は先に、非常事態宣言を無効化する決議を可決したが、トランプ氏は3月に拒否権を行使した。同紙によると、メキシコ制裁関税を受けて無効化決議案が再提出されれば、拒否権を覆すのに必要な両院の3分の2以上に達する可能性もある。