[北京 5日 ロイター] – 中国国防省は5日、中国が南シナ海でミサイルを発射したと米国が非難したことに対し、実弾発射を伴う定例の軍事訓練を行ったに過ぎないとし、米国の見解に反論した。 

米国防総省は2日、中国が領有権が争われている南シナ海でミサイルを発射したことは「憂慮すべき」であり、同海域を軍事化しないとした中国の約束に反するとの見解を表明。 

この日は米当局者が匿名を条件に、中国が先週末に複数の対艦弾道ミサイルの発射実験を行った可能性があることが初期の情報で示されているとし、詳細な分析が現在進められていると明らかにした。 

これについて中国国防省はロイターに対し、米国が示した見解は事実と異なるとし、「人民解放軍はこのほど年次訓練の一貫として、海南島付近の海域で実弾の発射を伴う訓練を実施した。特定の国を対象としたものではない」とした。ただ詳細については明らかにしなかった。 

中国政府は先に、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島とパラセル(中国名・西沙)諸島の間の海域で先週末から7月3日にかけて軍事訓練を実施することを明らかにし、この海域の航行を控えるよう呼び掛けていた。 

南シナ海を通過する貨物の額は年間約5兆ドル。この付近の海域はブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムが領有権を主張している。