[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落。米中貿易戦争を巡る警戒感が再び高まる中、安全資産とされる円などが買われた。米債市場では長短金利の逆転が一段と進行した。 

RBCセキュリティーズのマクロストラテジスト、ブライアン・デインジャーフィールド氏は、長短金利の逆転が一段と進行した明確な理由は不明としつつも、「市場のリスクオフムードに寄与した可能性がある」と指摘。「米中貿易戦争、欧州の政治、英国の欧州連合(EU)離脱、中国経済の減速など、多くの不透明要素が存在し続けるとみられている」と述べた。 

前日はトランプ米大統領が中国から通商交渉再開に向けた申し入れがあったことを明らかにし、通商協議を再開する方針を表明。これを受けてリスク選好度が高まっていたものの、中国外務省の報道官がこの日、中国と米国が最近電話協議をしたという話は聞いていないと改めて表明したことを受けて、警戒感が広がった。 

円は対ドルで0.34%高の105.75円。米中貿易摩擦がエスカレートする中、円は対ドルで年初来3.45%上昇している。 ユーロ/ドルは小幅下落し、1.1090ドル。ただ、イタリアで新連立政権が誕生するとの期待からイタリア株が上昇する中、ユーロは下げ幅を縮小した。 

ポンド/ドルは0.6%高の1.2288ドル。対ユーロでも0.69%上昇し、90.24ペンスを付けた。英野党・労働党のコービン党首が国内紙インディペンデントに寄稿し、合意なきEU離脱を阻止するため「あらゆる必要な措置」を講じると表明したことが材料視された。