[フランクフルト 3日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)は9月12日に開く次回理事会で、利下げのほか、マイナス金利が銀行に及ぼす影響を軽減するための金利の階層化、および低金利政策の長期的な継続を確約するフォワードガイダンスの強化を含む包括的な刺激策を決定する方向に傾いていることが複数の関係筋の話で明らかになった。 

関係筋は、利下げは金利階層化とセットで決定される公算が大きいと指摘。このほか、資産買い入れの再開に対し多くの支持が示されているものの、ユーロ圏北部の国から反対の声が上がっているため、事態が複雑化していることも明らかにした。 

関係筋は、利下げ幅を含めまだ何も決定されておらず、討議は継続されていると指摘。ECB報道官はコメントを控えている。 

世界的な通商問題が重しとなり景気が減速する中、ECBは次回理事会で一段の刺激策導入を確約。市場では一連の刺激策の内容を巡りさまざまな見方が出ている。 

関係筋は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性が増大したとしても、ECBが景気刺激策について数回の理事会にわたり討議を継続する理由はないと指摘。ただ、ドラギ総裁の後任として11月1日付で次期総裁に就任するクリスティーヌ・ラガルド氏のために利用可能な手段を手元に残しておくことが重要となるとの見方も示した。 

ECBは主要な決定を行う際、理事会が開催される週に入ってから政策当局者に最終的な提案を示すことがこのところ慣習となっているが、複数の関係筋は今回も同様になるとの見方を示している。 

ECBは昨年12月総額2兆6000億ユーロの債券買い入れ策を終了。再開を巡る討議は、加盟国の出資比率に応じて買い入れる「キャピタルキー」規定があるために複雑化している。ただ複数の関係筋は、現在の枠組みを柔軟に利用することでECBにはあと1年程度は債券買い入れを実施する余地はあると指摘。再開に当たり直ちに規定を変更する必要はないとしている。 

このほか関係筋は、資産買い入れが再開されれば国債が主な買い入れ対象となるものの、民間部門の資産も対象となる可能性があるとの見方を示した。 

ECBの中銀預金金利は現在、マイナス0.40%。7月の理事会で据え置きを決定した際、政策金利を2020年半ばまで現行水準もしくはそれを下回る水準にするとし、来年半ばまで現行水準に据え置くというそれまでの方針を撤回した。 

ただ関係筋は、信頼感の回復に向けECBが金利を巡るフォワードガイダンスを「強化」する可能性があると指摘。新たなガイダンスでは特定の時間枠は示されない公算が大きいとした。