[パリ/ブリュッセル 16日 ロイター] – 航空機への補助金を巡る欧州連合(EU)と米国の対立を巡り、世界貿易機関(WTO)が米国による欧州製品への関税賦課を承認したと、関係筋2人が明らかにした。 

WTOの判断は9月30日の週に公表される見込み。EU側の報復措置につながる可能性があるという。 

欧米は欧州航空機大手エアバス(AIR.PA)および米ボーイング(BA.N)に対する補助金について互いに不当と主張し、約15年前から対立。相互に関税措置を準備している。 

米政府は年間112億ドル相当の欧州製品に最大100%の関税賦課を求めている。関税対象には英国、フランス、ドイツ、スペインなどからの航空機や航空宇宙部品のほか、EU各国からのワイン、チーズ、高級品などが含まれる。 

最終的な関税対象規模はWTOの仲裁機関が決定する。その後、米国は関税の対象となり得る250億ドル相当の品目リストから最終的なリストを作成する必要がある。 

関係者によると、承認される規模にかかわらず、エアバスの航空機およびその部品が最初に関税対象になる可能性が高いという。 

報道を受け、エアバス株価は終値で3.3%安。仏高級ブランドのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)(LVMH.PA)は3.9%安、エルメス(HRMS.PA)は2.8%安。