[ロンドン 27日 ロイター] – 英政府は27日、欧州連合(EU)との将来関係を巡る交渉の方針を公表した。6月までに「順調な進捗」が見られない場合は、交渉を打ち切る用意があると明らかにした。 

1月末にEUを離脱した英国は、貿易協定のほか漁業や運輸に関する取り決めで年内に合意する必要がある。 

英政府は27日に公表した文書で、「標準的な」自由貿易協定を望む英国の要求や、「最も異論の少ない」交渉分野に関して「順調な進捗」が6月までに得られない場合、EUからの明確な離脱に向けた準備に注力する方針を示した。 

議会で交渉方針を公表したゴーブ内閣府大臣は、「移行期間が終了する12月31日に、英国は経済・政治的独立を完全に取り戻す」と表明。「EUと最善の貿易関係を持ちたいが、合意を求めて主権を明け渡すことはない」と強調した。 

EUのバルニエ首席交渉官はツイッターで、英国の交渉方針を承知したとしたうえで、将来関係の大枠を定めた政治宣言で示した従来の方針をEUは堅持すると言明。「英国との野心的で公正なパートナーシップを望む」との立場も示した。 

英国は、EUがカナダと結んでいる貿易協定をモデルにした合意を求めているが、EU側は否定的な見解を示している。英国がEUと地理的に近く、カナダに比べてEUとの貿易量もはるかに多いことから、EUにとってより大きな脅威になるためという。EUは英国が労働・環境面などの基準を引き下げてEUから市場を奪う可能性があると懸念している。 

ゴーブ氏は「地理的な問題は民主主義を損なう理由にはならない」とし、「はっきり言っておくが、EU法やEUの制度の下でEUの言うがままにEUの規則に従うことは求めない」と述べた。 

これは事実上、EUが要求している「公正な競争条件」の順守を排除する発言だ。 

英国はこれまでに、「標準的な」貿易協定にEUが応じない場合、EUとオーストラリアが結んでいる貿易協定に類似した合意を模索する方針を示している。EUとオーストラリアの貿易は、一部の品目を除き、おおむね世界貿易機関(WTO)の基本ルールに沿って行われている。