[23日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は23日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、新型コロナウイルスへの対応として、無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決定した。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る。決定は全会一致。 

声明では「新型コロナによる衛生危機に伴い、経済が深刻な混乱に直面することが明白になってきた」とした上で、「市場の円滑な機能への支援や経済・金融情勢全般に対する金融政策の効果的な波及を促す」と表明した。 

市場関係者のコメントは以下の通り。 

●支援材料だが財政刺激策なお必要 <レイモンド・ジェームズの首席エコノミスト、スコット・ブラウン氏> 
FRBは前週にほぼ毎日流動性を供給し、この日はいくつかの新たな追加措置を講じた。ついていくのが難しいほどありとあらゆる措置を実施している。 
 数週間前に現れた最大の懸念要因の1つが信用市場の混乱だった。問題発生は予想されていたことだが、すぐに顕在化し、不安が広がった。信用市場の問題により経済が大幅に悪化する恐れがあるため、FRBは金融システムの流動性を確保しようとしている。 
もっとも、これらの措置だけでは新型コロナウイルスに対抗することができず、それが大きな問題だ。かなり大きな経済的影響を受けており、エコノミストによる成長見通しが幾度も下方修正されている。 
FRBの措置は支援材料だが、財政刺激策がなお必要だ。本当に苦しい立場にある人々に注力しなければならない。失業保険給付の拡大や中小企業の救済、大きな打撃を受けるであろう低所得者層への支援などだ。接客業など一部の労働者が職を失い、収入がないなど非常に悲惨な状態になっていると聞いている。現時点で本格的な危機になっている。 

●現時点で必要な措置、市場の現状は継続へ <アメリプライズ・ファイナンシャル・サービシズの首席エコノミスト、ラッセル・プライス氏> 
 FRBの発動した「バズーカ」であり、景気支援に必要な流動性を供給する構えを明示した。短期的に企業が必要とする流動性を供給し、金融システムが適切に機能することを確実にする上で非常に重要な措置だ。 
 議会で刺激策が承認されなかったことで、市場はオーバーナイト取引で下落していた。刺激策は必要であり、いずれ可決されるだろうが、現時点で必要なのはFRBの措置だ。刺激策は今後数週間、数カ月間で重要な役割を果たすことになる。 
 しかし正直なところ、市場は現時点で新型コロナウイルス感染拡大を巡る今後の行方や治療法を待っており、こうした情報や材料が出てくるまで、おそらく今後数週間、市場では待ちの状態が継続するだろう。 

●金融危機の再来防ぐ狙い <エバーコアISI(ニューヨーク)の債券ストラテジスト、スタン・シプリー氏> 
 2007―2008年の金融危機の再来だけは防ごうというFRBが明確に見てとれる。FRBはほぼ全ての銘柄を買い取り対象にする見通しで、結果として週間のバランスシートの伸びはQE2(量的緩和第2弾)以上になるだろう。新型コロナウイルスの影響で経済の4割が停止し、それでも停止が収まらない状況の中で、リスクは依然あるものの、一定の下支えにはなる見込みだ。