[ニューヨーク 1日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により、過去数十年で最悪の景気後退に陥るとの見方が広がっている。 

ドルはユーロやポンドなどに対して上昇。世界的に株価が下落し、落ち着く兆しのないパンデミックのリスクが一段と意識された。 

BNPアセットマネジメント(ニューヨーク)の為替部長、Momtchil Pojarliev氏は「世界的な景気後退(リセッション)局面においてはドルが底堅く推移する傾向がある。新型コロナで世界的な景気後退が訪れると予想される」と述べた。 

エクスチェンジ・バンク・オブ・カナダ(トロント)の外為戦略部門責任者、エリック・ブレガー氏は「月末にかけ幅広いドル買いが見られたが、今日のドル買いは安全資産への逃避の側面が強いようだ」と指摘。トランプ米大統領が前日、新型コロナとの戦いで非常に厳しい2週間が待ち受けていると発言したことも材料になったとした。 

午後の取引でドル指数=USDは0.5%高の99.528。 

アナリストによると、主要中銀によるドル流動性供給は過度なボラティリティーの落ち着きに寄与したが、金融市場が安定するまではまだ時間が必要という。 

3月のADP全米雇用報告は、雇用者数が予想ほど落ち込まなかったが、3月中旬に調査が実施され、新型コロナの影響を完全に反映していなかったため、市場への影響は限られた。 

3月のISM製造業景気指数も予想ほど落ち込まなかったが、新型コロナのパンデミックに伴う混乱により、新規受注指数は11年ぶりの低水準となった。 

ユーロは対ドルEUR=EBSで0.8%下落し1.0947ドル。豪ドルやニュージーランドドル、カナダドル、南アランドなども対ドルで約1%安となった。ポンドGBP=D3の下げは限定され、終盤では横ばいの1.2405ドル。ドルは対円JPY=EBSで0.4%安の107.12円。 

ドル/円 
 NY終値 107.15/107.19 
   始値 107.56 
   高値 107.65 
   安値 106.93 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.0962/1.0966 
   始値 1.0942 
   高値 1.0969 
   安値 1.0904