[ワシントン/メキシコ市 10日 ロイター] – トランプ米大統領は10日、世界的な原油生産削減に向けてメキシコを支援することで合意したと明らかにした。原油価格の安定を目指す各国による交渉の打開策になる可能性がある。 

メキシコのロペスオブラドール大統領はこの日、米国が肩代わりする減産規模が日量25万バレルになると明かした。 

トランプ氏は米国がメキシコの「不足を補う」とし、25万バレルという規模については「その通りだが、すでに実施済みだ」と説明。ただ、米石油会社にさらに減産を求めるかどうかは明らかにしなかった。 

また、この減産は他の産油国の合意次第で、メキシコは後日、米国に補償を行うとも述べた。 

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は9日、5月と6月に日量1000万バレルの減産を行うことで合意。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、最終的な合意はメキシコが参加するかどうかにかかっているとの見解を示していた。

メキシコはこれまでのOPECプラスによる協調減産に参加していたが、ロペスオブラドール大統領によると、今回は産油量の23%に当たる日量40万バレルの減産を求められていたという。 

一方、匿名のメキシコ当局者は、米政府が見返りに何を求めてくるのかについて懸念を示し、11月の米大統領選でメキシコ系有権者の票集めに利用する可能性もあると述べた。