• 米中古住宅販売成約指数、中国が香港問題干渉の米市民にビザ制限へ
  • FRB9プログラム全て運用開始、レムデシビル価格、ユーロ圏景況

週明けの米国株式相場は反発しました。米住宅市場の統計が市場予想を上回る記録的な伸びを示したことが、一定の安心感を生んだ形です。ただ、こうした指標改善は一部の州による経済活動再開を反映したものでもあり、足元の感染者数増加を考えると手放しでは喜べない状況です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

過去最大の伸び

5月の米中古住宅販売成約指数は前月比44.3%上昇と、統計開始以来の大幅上昇。住宅ローン金利の低下や、一部の州でのロックダウン(都市封鎖)解除が追い風となった。市場予想の中央値は19.3%上昇。4月は統計を開始した2001年以降で最低だった。ただ、高い失業率と根強い公衆衛生面の懸念が、今後の逆風となる可能性がある。

中国がビザで対抗措置

中国政府は香港で計画している国家安全法制に干渉する米国市民に対し、査証(ビザ)の発給を制限する。先週末にはトランプ米政権が、一部の中国共産党当局者を対象に同様の措置を発表していた。中国外務省の趙立堅報道官は「中国当局者へのビザに制限を課すという米国の誤った決定への対抗策として、香港問題で好ましくない行動を取る米国人へのビザ発給を制限することを決めた」と記者会見で述べた。具体的な対象者名は挙げず、「関係する者は自分自身で明瞭に分かるだろう」と述べた。

最後の一つも開始

米連邦準備制度理事会(FRB)は、プライマリー・マーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(PMCCF)の運用を開始したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けてFRBが打ち出した9つの緊急融資プログラム全てが利用可能になった。PMCCFは3月に発表されたプログラムで、FRBが発行体から社債などを直接購入する支援措置。

お値段は

米製薬会社ギリアド・サイエンシズは、新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療薬レムデシビルについて、米国および他の先進国政府への販売価格を1バイアル当たり390ドル(約4万1800円)とすると発表した。一般的な治療法とされる5日間のコースの価格は約2340ドルになるという。価格交渉を国ごとに行い提供が遅れる事態を避けるため、全世界で一律の価格設定にすると説明した。

回復鈍い

新型コロナ感染拡大を防止するロックダウンで大打撃を受けたユーロ圏の企業は事業活動を再開しつつあるが、域内の景況感は回復ペースが鈍い。欧州委員会が発表した6月のユーロ圏景況感指数は75.7と前月比で上昇したが、エコノミスト予想の中央値は下回った。今年初めの水準にははるか及ばず、完全な回復への道のりは遠いことが示唆された。

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